東京大学と科学技術振興事業団の研究グループが、脳が記憶を検索する仕組みを初めて突き止めた。
脳は大脳の前方にある前頭葉から検索の信号を出して記憶を引き出しているという発見で、これをきっかけに記憶に関するメカニズムがさらに解明されれば、健忘症や老人性痴呆症の一種であるアルツハイマー病の治療薬の開発につながりそうだ。
この成果は、14日付けの英科学誌「ネイチャー」に掲載される。
東京大学の宮下保司教授らは、脳の構造が人間と似ているサルを使って実験した。あらかじめサルに図形を暗記させた後、再び同じ図形を見せて正解するとジュースを与え、記憶の訓練をした。
まず右目に図形を見せ左脳に記憶させる。それから左目に図形を見せて図形を記憶しているか実験を行い、サルが図形を思い出そうとしているときに脳内を流れる電流を調べたところ、サルは前頭葉から信号を出して記憶を引き出していることを突き止めた。
この信号を制御できるようになれば、物忘れを減らせる可能性もあるという。
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