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都道府県に対し有料老人ホームの「二重取り問題」を実態調査
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| −厚生省が通知− |
2000/06/20(Tue.)
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介護保険制度の導入に伴い、有料老人ホームが入所時の介護一時金と介護保険からの介護給付金を「二重取り」してしまう問題で、厚生省が都道府県に実態調査をするよう通知した。
有料老人ホームに入居する場合、入所時に数千万円〜数百万円の終身利用料や入居金を収める。また、介護が必要になったら生涯にわたって職員による介護サービスを受けられるよう、数百万円程度の介護一時金を支払う契約が一般的。
しかし、4月からの介護保険制度の導入で、老人ホームが保険給付適用施設になると、これまで介護一時金で賄っていた介護サービスのうち、介護保険対象のものは、介護報酬の90%にあたる介護給付金が自治体から支払われる。
それにより、老人ホーム側は利用者の介護一時金と介護保険の介護給付金との双方から介護報酬を受け取る「二重取り」が生じる。
そのため厚生省では、介護保険の給付との重複が予想される介護一時金の一部を利用者に返還するよう指導してきた。
しかし、入居者が将来どの程度の介護をどのくらいの期間必要とするかを予測し、介護報酬の総額を算出するのは困難なため、老人ホーム側は介護にかける職員数や時間をもとに、独自の考え方で返還金額を算定する場合が多い。
しかし、 利用者から「一切返還しないと言われた」「返還額が少ない」「説明が不足」など老人ホーム側の姿勢が批判されるケースも出ており、総務庁は行政監察を行う方針を明らかにしている。また、厚生省が今回のように対策を打ち出すのは初めての事。
厚生省の調べでは現在全国約100ヶ所の施設が問題を抱ているとしており、解決したケースは40%に満たない。
介護一時金の返還率は、25%から100%までの大きな幅があり、格差が出ている。返還率は施設により様々だが、返還率の算定の根拠として介護の「手厚さ」を理由としている施設もある。
「これまでの介護時間と、介護保険での給付時間を比較し、平均すると約4倍のサービスを提供し、職員配置も手厚い」という根拠で重複率を25%と算定した施設や、「介護保険の標準的なサービスでは、要介護者3人に介護職員1人が必要だが、要介護者1人に対し職員1人を置いて3倍手厚い介護をしているので、返還率は1/3の33%」とした施設もある。
また、「要介護状態にない入居者には、全額返還」とした施設もあれば、「直接入居者には返還せず、老人ホーム側で一括して管理し、介護保険の一割自己負担分を介護一時金の返還分から賄う」という施設も。
これらのことから、入居者から返還金の算定を巡る不満や疑問の声が相次いでおり、入居者が返還金算定の根拠を求め事業者に情報公開請求を行った例も出ている。
しかし、算定にあたり、介護保険や介護費用に関する情報を豊富に持つ老人ホーム側が示した返還金額について、利用者側は情報・知識が不足しており、現実には反論・反証するのは難しい。
自宅を売り払って入居し、他に行き場がない利用者は、老人ホームとの関係を思い悩むケースもあり、利用者にとっては深刻な問題となっている。
厚生省の通知では、老人ホーム側が介護一時金を返還する際の入所者への説明で「話し合いの経緯をまとめた議事録を記録しているか」「入所者に不利益にならないよう十分な説明などを行ったか」「質疑応答で、複雑なので説明は省略など不適切な回答をしていないか」などを確認、対応が不十分だった老人ホームにはあらためて入所者へ説明するよう求める。
また、介護一時金を受け取りながら「入所者との調整は不要」などとしている老人ホームに対しては、老人ホーム側が調整案を作り話し合いを持つよう指導する。
そのほか、返還した一時金の額が妥当だったかなどを判断する材料として、老人ホーム側が受け取った介護給付金や提供した介護サービス(保険外も含む)の内容を入所者に開示、説明するよう求める。
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