警察庁の「犯罪被害者支援に関する検討会」(座長・宮沢浩一中央大教授)が、殺人や傷害事件などの加害者に損害賠償能力がない場合、国が被害者や遺族への補償を肩代わりする犯罪被害給付制度の拡充と、被害者への的確な情報提供を警察に求める最終提言をまとめた。
同制度は、1981年1月に施行された「犯罪被害者給付金支給法」に基づき、故意の犯罪行為に巻き込まれた人の遺族や被害者に対して国が給付金を支給するというもの。
犯罪被害者給付金は現在、遺族給付金と障害給付金の1〜4級がある。
提言では、これを拡大する形として、現行の遺族給付金と障害給付金の1〜4級の各支給額を引き上げるとともに、障害給付金に5〜14級を追加、新たに重傷病に向けた制度も加える。
「障害等級」については、1〜4級は両目が失明したり、両手足が全く使えなくなったりするなど重い障害とされるもの。現状で支給されるのはこの4つの等級のみだ。
拡大される障害等級5級は片方の腕が動かなくなったなど、最も軽い14級は男性の顔に傷が残る・歯を3本失ったなどで、日常生活に一部支障が生じる障害というものだ。
重傷病に対して創設する制度では、後遺障害が残らなくても、全治1ヵ月以上の重傷で2週間以上の入院を要する負傷に対し、3ヵ月を限度に保険医療費の自己負担分を上限付きで支給する。
犯罪被害者給付金の支給額(単位:万円)
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改正前 |
改正後 |
| 遺族給付金 |
1079〜220 |
1573〜320 |
障害給付金
(障害等級1〜4級) |
1273〜230 |
1849〜331 |
障害給付金
(障害等級5〜14級) |
- |
69〜18
(14級で) |
| 重傷病 |
- |
19
(最高で) |
地下鉄サリン事件やストーカー事件、誘拐事件などでもクローズアップされた心的外傷後ストレス障害(PTSD)についても「症状が固定してPTSDと認定されれば支給する余地が認められる」としており、精神面での障害にも触れている。
警察庁は改正案を2001年1月の通常国会に提出する方針で、改正後の実施は同年7月以降を目指す。
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