改正健康保険法施行が21世紀の幕開けとともに始まったが、その柱となっているのは「70歳以上の高齢者が病院や診療所の窓口で支払う医療費を原則1割負担とする」というもの。
改正前は、外来の場合の70歳以上の患者負担は1回の診療につき530円で、月5回目から無料、1ヶ月の上限は2,120円とわかりやすかった。
改正後は原則1割負担で、医療機関の規模(大病院、中小病院、診療所)により月の負担上限に差があり、診療所では定率制(医療費の1割、月上限3000円)か定額制(1回の診療につき800円、月上限3,200円)を選択するという複雑なものだ。
厚生労働省の調査によると、診療所82,913ヵ所のうち8割にあたる66,944ヵ所が「定額制」を選んでいたことが明らかとなった。
定率制は支払いの度に1割の患者自己負担額を計算しなければならないため、診療所の事務負担が増えるうえ、患者も不慣れで混乱がおきやすい。
日本医師会も改正前の「1回の診療で530円」と同様の方式である「1回の診療で800円」の定額制を勧めていた。
いっぽう、改正健康保険法では、診療所より規模の大きい医療機関である病院の70歳以上の患者負担は一律「定率制」となっている。
病床数200床以上の大病院が医療費の1割、月上限5000円。200床未満の中小病院では医療費の1割、月上限3000円となっており、ほとんどの診療所が選択した定額制とは異なる点では「同じ医療機関なのに?」と、利用者が混乱することが懸念される。
|