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身体拘束ゼロの時代に向けて

−厚生労働省が「身体拘束ゼロへの手引き」−

2001/03/09(Fri.)

 厚生労働省が「身体拘束ゼロへの手引き」をまとめた。3万部を印刷し、都道府県を通じて配布する予定だ。

 手引きは「身体拘束はなぜ問題なのか」「身体拘束は本当になくせないのか」「身体拘束廃止のためにまずなすべき5つの方針」「身体拘束をせずにケアを行うために3つの原則」「緊急やむを得ない場合の対応はどうすればいいか」「転倒事故などの法的責任についてどのように考えればよいか」などについて掲載されている。

 冒頭では、身体拘束ゼロの時代に向けた取り組みは高齢者ケアの転換を象徴する画期的な出来事であるとし、「身体拘束はやむを得ないのだろうか」「身体拘束を許容する考え方を問い直そう」と問題を提起。

 現場のみならず、全員の強い意志で身体拘束ゼロへのチャレンジをおこない、全国の現場から身体拘束がなくなることを望む−−としている。

 身体拘束がもたらす身体的弊害や精神的弊害、社会的弊害について解説。拘束が拘束を生む「悪循環」、介護保険指定基準において禁止の対象となる具体的な行為について説明。

 呆け老人をかかえる家族の会のアンケート調査結果より抜粋した、身体拘束についての家族の声も紹介した。

 身体拘束は安全確保のために本当に必要なのか、身体拘束の廃止は本当に不可能なのかについて考える。

 身体拘束をめぐる各国の努力についても紹介し、20年間近く身体拘束のおこなわれていない英国を例に挙げた。

 身体拘束廃止のためにまずなすべき5つの方針は、「トップが決意し、施設や病院が一丸となって取り組む」「みんなで議論し、共通の意識を持つ」「まず、身体拘束を必要としない状態の実現を目指す」「事故の起きない環境を整備し、柔軟な応援体制を確保する」「常に代替的な方法を考え、身体拘束する場合は極めて限定的に」としている。

 身体拘束をせずにケアを行うために3つの原則として、「身体拘束を誘発する原因を探り除去する」「5つの基本的ケアを徹底する」「身体拘束廃止をきっかけにより良いケアの実現を」を挙げる。5つの基本的ケアとは、起きる・食べる・排せつする・清潔にする・活動する−−のこと。

 緊急やむを得ない場合の対応には、切迫性・非代替性・一時性の3つの要件を満たすことが必要で、手続きの面でも慎重な取り扱いが求められており、身体拘束に関する記録が義務づけられていることを明示した。

 「転倒事故などの法的責任についてどのように考えればよいか」では、「身体拘束をしなかったことを理由に事故責任を問われるのか」「ケアのマネジメント過程においてどのような点に注意すべきか」「事故が発生した場合、どのような対応が必要か」と3つのポイントを解説している。

 また、身体拘束をめぐる動きとしては、同省の後援による社団法人全国老人保健施設協会主催の「身体拘束ゼロシンポジウム」も3月27日(火)に赤坂プリンスホテルにて開催される。


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