経済産業省が1999年度福祉用具・共用品市場規模調査の結果を公表した。
福祉用具・共用品の定義としては、「福祉用具」は高齢者・障害者の生活の質を高め、自立・社会参加を支援するものを指し、何らかの身体的な障害や機能低下がある人も、ない人も共に使いやすくなっている製品を「共用品」としている。
福祉用具市場規模調査では、1993年度の7,731億円から市場規模は順調に拡大しており1997年度には1兆円を突破し1兆409億円となった。
1999年度には1兆1,497億円で対前年度比7.5%増。また、共用品も含めた広義の福祉用具市場規模は2兆8,621億円となっている。
前年度比28%増で565億円となったベッドや、前年度比16%増で325億円となった車いすなどの介護保険対象品目では、福祉用具レンタル事業者が2000年4月からの介護保険制度施行に伴う市場の拡大を見越して商品ストックを増やすなどの影響を受けて市場が大きく拡大した。
福祉車両は前年度比90%増の592億円と急激に拡大。おむつは前年度比15%増の855億円で、高齢化の進展などにより例年に引き続き利用者層の拡大が進み、高い伸びを維持している。
ベッド、車いすなどの介護保険対象品目は、介護保険施行にともない、1999年度末から2000年度初頭にかけては市場が大きく伸びたが、その後、介護保険施行直後の福祉用具の利用が予想より低調であったことなどから新たに業界関係者に聞き取りをした結果、2000年度後半の出荷は年度当初を下回る状況となった。
これらの影響を総合すると2000年度は例年をやや上回る程度と見込まれるが、介護保険での福祉用具の利用が徐々に増えており、この影響も注目される。
4回目となる共用品市場規模調査結果では、新たな品目の追加は無く、前回1998年度調査と同じ品目で調査した結果、1999年度の共用品の市場規模は、前年度比26%増の1兆8,548億円。
金額の大きな上位5つの品目は、缶に点字表示を施したビール・酒(4,249億円、前年度比14%増)、視覚障害者向けに配慮設計をした家庭電化機器(4,180億円、前年度比17%増)、段差解消や手すり等を設置した浴室ユニットなどの住宅設備(2,413億円、前年度比60%増)、障害者向けに配慮設計した映像機器(1,936億円、前年度比53%増)、音や光で作動を知らせる等の配慮設計をしたガス器具(1,662億円、前年度比5%増)。
ビール・酒、ガス器具などは配慮設計が徐々に広がっており、全体に占める共用品の割合はそれぞれ55.4%、43.7%となっており、今後も家電製品をはじめ、多くの製品で共用品化が進むことが期待される。
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