厚生労働省は、2002年度予算の概算要求をまとめ、財務省に提出した。要求総額は2001年度当初予算比7,034億円、3.9%増の18兆7,455億円。
このうち、社会保障関係費は6,377億円、3.7%増の17兆9,445億円。
社会保障関係費の増加の内訳は、医療2,700億円(3.7%増)、年金1,754億円(3.3%増)、介護761億円(5.5%増)、雇用310億円(7.2%増)、福祉・その他852億円(2.9%増)。
要求では、保育所待機児童ゼロ作戦の推進に343億円を計上したほか、今後整備する特別養護老人ホームは全室個室・ユニットケアの「居住福祉型」を原則とする方針を示し、来年度から施設整備補助に導入することを盛り込んだ。
社会保障費の伸びは高齢化に伴う自然増で約1兆円と見込まれていたが、概算要求基準(シーリング)による圧縮を受けて3,000億円の圧縮が課題とされた。
概算要求では、3,000億円の削減のうち、2,800億円を医療に求めるなど、対象を医療に絞ったが、医療保険制度改革を含めた具体的な方策は一切盛り込まれていない。
介護保険関連予算の総額は1兆8,272億円(4.7%増)。このうち、介護給付費の国庫負担分は1兆4,914億円と、介護保険の利用が少なかったことなどを受け、今年度額を273億円下回っている。
いっぽう、介護の質向上策として、ケアマネジャーを支接して調整や指導・助言をおこなう「ケアマネジメントリーダー」の養成を創設、27億円を計上している。
また、介護報酬見直しに伴う国保連、市町村のシステム改修費に37億円、事業者の実態調査に2億9,000万円。
このほか新規では、在宅介護支援センターによる福祉用具・住宅改修の活用支援に5億3,000億円。介護予防・生活支援推進関連では、500億円が要求されている。
ゴールドプラン21の推進は2,485億円で、施設整備費は1,228億円。今年度より85億円減となった。
特別養護老人ホームでは、個室化とユニットケアを原則とする新型特養を導入、1万3,000人分を整備する。個室への入居費用と光熱費などのホテルコストは利用者の自己負担となり、その分補助金は減額される。来年度は従来型と新型特養のいずれかを選択できる。
また、ケアハウスはPFIを活用した公設民営で4,000人分を整備する。ケアハウスの規制緩和は、介護サービスをセットにし、介護施設として運営することが前提。
保育などの子育て支援対策では、保育所の待機児童ゼロ作戦に322億円をあて、保育所受け入れ児童数を5万人増やす方針だ。また、認可外保育所の認可化への移行促進に1億3,000万円、駅前などの送迎保育ステーション整備に2億6,000万円を要求したほか、現在1万カ所の放課後児童クラブに800カ所上乗せするための補助も整備する。
医療予算は、当初5,500億円と予想された伸びが2,800億円カットの2,700億円。要求のほとんどは公的健康保険や国民健康保険、老人保健制度への国庫負担。具体的な内容は編成過程で詰めることとし、金額のみの要求で先行き不透明なものとなった。
障害者対策では、職場適応援助者(ジョブコーチ)を全都道府県に配置する支援事業に20億円など、雇用推進策として147億円を要求。
また、グループホームの確保やホームヘルパーの増員など障害者ブランの推進に3,099億円、専門医の養成など精神医療の充実に517億円、障害者の社会復帰に188億円を要求した。低所得者対策としての生活福祉資金貸付制度の充実に19億円を要求している。
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