日本社会福祉士会では、社会福祉士資格を取得した人のその後の活躍を調査する「社会福祉士現況調査」を実施した。
調査は、社会福祉振興・試験センターの助成を受けて実施したもので、日本社会福祉士会が実施したものとしては3回目となる。調査は、第11回までの国家試験合格登録者全員約2万人を対象とした。郵送による調査をおこなったところ回答者数は42.1%にあたる7,831人だった。
調査項目は、「あなたご自身について」が12問、「研修等について」が5問、「社会福祉士について」が10問、「日本社会福祉士会について」が4問の4事項31問とした。また、自由記述項も設けた。
調査結果の概要では、「あなた自身について」をみると、性別、年齢、現住所、学歴、職歴等の基本的な属性の他、社会福祉士以外の資格・免許について質問したところ、女性が全体の約3分の2を占めており、そのほとんどが4年制の大学において社会福祉を専攻した人で、比較的若い世代が多くなっている。勤務状況では、70%を超える者が社会福祉関係に所属している。
「研修等について」をみると、前回調査は生涯研修に関する設問が主であったが、前回との整合性を考慮しつつ、研修参加回数、研修内容、学習形態の他、希望研修テーマや研修情報入手ルート等について質問したところ、4分の1に近い者が最近1年間に1度も研修を受けていない実態が明らかになった。
なお、女性は出産や育児、就労のための配慮が不十分なため受けたくても受けられないことが想定されることから、今後この対策が重要となると思われる。受講した研修内容と、これから受けたい研修内容は、権利擁護やケアマネジメントが最も多かった。
研修情報の収集については、職場や所属団体から得ている数値が高く、団体等に所属することで情報が入手し易くなることに繋がっている。また、日本社会福祉士会の生涯研修については分かりにくいという声があったほか、通信教育の希望がみられた。
「社会福祉士について」をみると、社会福祉士合格時期、資格取得の動機の他、資格取得後の勤務の変化など、特に、今後、社会福祉士にとって最も密接な関係が形成されている介護保険制度、成年後見制度、地域福祉権利擁護事業との関わり等について質問したところ、社会福祉士の資格取得の動機は、「福祉専門職の基礎資格として」が80%を占めている。
社会福祉士の資格取得が「採用の条件に入っている」とした者は20%未満と低かった。また、社会福祉士の資格取得で「資格手当がついた」などの収入の増加につながった者も20%未満とごくわずかであった。
「社会福祉士として専門性を生かした業務(活動)内容となっているか」については、「どちらとも言えない」が約40%を占め、「専門性が生かされている」は約3分の1にとどまった。
「主な業務以外に、社会福祉士としてどのような活動に積極的に参加しているか」については、半数近い者が各種の講師、ボランティア、専門職能団体、各種相談員等に積極的に活動しており、さらなる活動の広がりが期待される。
「日本社会福祉士会について」をみると、日本社会福祉士会に加入しない理由や、日本社会福祉士会が、社会福祉士の専門性を高めたり、活動を活発化させるために取り組む必要があると思われること等について質問したところ、日本社会福祉士会への加入状況については、年齢層が高くなるほど入会率が高くなっており、40歳代以上では加入率が4分の3を超えている。逆に20歳代の入会率が低く、その組織化が緊急の課題であることが分かった。
また、未加入の理由としては、会費の負担が大きいことが最も高い理由として挙げられており、今後この対応が必要とされる。
社会福祉士の専門性を高めるために、社会福祉士会が重点的に取り組む課題としては、専門情報の提供と社会福祉士の地位向上及び生涯研修制度への取り組みが多かった。
また、社会福祉士会活動の活発化のため重点的に取り組む課題としては、関係専門職団体との連携とする者が約半数を占めている。次いで、職域の拡大、待遇改善、権利擁護活動の推進、政策提言が多かった。
「自由記述」をみると、社会福祉士及び日本社会福祉士会並びに社会福祉振興・試験センターに関連して、希望や気付いたきのことなど、自由記述してもらったところ、回答者の4分の1以上が何らかの記述をしており、予想以上に多くの人から意見が寄せられたが、その中でも長文の記述者が目立った。
なお、文面の長短で記述内容に大きな差は見られなかったことから、短文の記述のみに限って分析をした。回答は、「社会福祉士の身分に関する意見」「国家試験制度に関する意見」「研修制度に関する意見」など大きく6つの意見に集約されている。
内容としては、社会福祉士の資質向上、組織的活動の活性化等積極的な提言が多く見られた。このことは、同調査に対する関心の高さと調査結果への期待の表れといえる。
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