23%の企業が原生林から生産された紙の利用を停止すると回答
|
| −NGOの熱帯林行動ネットワーク、森林問題についてアンケートを実施− |
2001/11/12(Mon.)
|
熱帯林と世界の森林保全に取り組むNGOの熱帯林行動ネットワークは、日本が大量の紙原料を輸入しているオーストラリアの森林問題について取り組んできたが、この度、紙を利用している国内の主要67社に対してアンケートをおこない、23%の企業が原生林から生産された紙の利用を停止したいと考えていることを明らかにした。
熱帯林行動ネットワークは、「オーストラリアの森林と製紙用伐採」と題したブックレットを発行し、オーストラリアの原生林(オールドグロス林)が日本の製紙用原料として用いられていることを明らかにした。
このブックレットの発行とともに、紙を利用している国内の主要67社に対し、この問題に関する情報提供と解決に向けた提言をおこない、今後の対応策などに関する回答を求めたところ、25社(回答率37%)から回答が得られた。回答が得られた企業の内訳は、出版12社、印刷1社、紙製品1社、新聞5社、通信販売3社、コンビニエンスストア3社。
オールドグロス林とは、ほとんど人手の入っていない樹齢200年以上の樹木が大部分を占める成熟した森林のことで、原生林とほぼ同義。なお、災害や人為によって破壊された後に自然植生が発達した森林は2次林と呼ばれ、原生林と2次林を合わせたものが天然林と称されている。一般に、原生林(オールドグロス林)は、最も生態系の豊かな森林であるとされている。
アンケートの回答をまとめた結果、紙にオーストラリアの原生林(オールドグロス林)が伐採された原料が使われていることについては、6社(24%)が「認識していた」と回答した一方で、半数以上の13社(52%)が「認識していなかった」と回答した。実際、オーストラリアの森林問題に関する国内の情報はほとんどなく、今回同団体が情報提供できたことについては、有意義なことであったと考えられる。
原生林(オールドグロス林)から生産された紙の利用については、5社(23%)が「停止する」と回答した。紙の原料に限らず、豊かな生態系を育む原生林を伐採した木材の利用を停止する動きは、世界的なものになっている。同団体は、こうした意向や動きを歓迎。また、この質問に対しては、「調査をおこなう」などのその他の回答(8社)や無回答(6社)が多かったことを考えると、今後はより多くの企業がこうした取り組みをおこなう意向を示す可能性があると考えられる。
今後の予定については、15社(60%)が「古紙利用率の高い紙を使う」、7社(28%)が「植林木を原料とした紙を使う」と回答した。現在の古紙利用率についても、50%以上と回答した会社が11社(44%)を占めたことと併せ、古紙の利用に対する意識は高くなっていることが見受けられた。
いっぽう、自社で植林事業を進められている企業が少なからず見られたものの、そのほかの企業では植林木を利用すると回答した企業の数は少なく、植林木の利用に対する認識がまだ低いことが伺われた。
同団体では、「オーストラリアでは利用可能な植林木の量も着実に増加し、十分な供給量になりつつある」ことを明らかにしており、自社で進められている事業によるものだけでなく、既存の植林木の利用を進めていくことが、原生林を含めた天然林の伐採を停止するためのひとつの有効な手段であると考えている。
今回の活動で、オーストラリアの製紙用伐採の問題を主要企業に訴えることができたほか、23%の企業から原生林から生産された紙の利用を停止するとの回答を得ることができた。しかし、こうした動きはまだ途上段階で、オーストラリアをはじめとした海外の森林保全を進めるためには、さらに多くの企業にこうした取り組みを進める必要があるとしている。
オーストラリアでは、伐採された原木の約4分の3がそのまま木材チップに加工され、そのほとんどが日本に輸出されている。伐採される天然林の中には、樹齢200年以上の樹木が大部分を占めるオールドグロス林も含まれており、伐採に占めるオールドグロス林の割合は70%前後にも及んでいる。オーストラリア国内でもオールドグロス林伐採に対する反対意見は多く、世論調査では80%前後の人々が反対している。
|
(NPO・NGO)熱帯林行動ネットワーク概要
関連記事
2001/11/12
23%の企業が原生林から生産された紙の利用を停止すると回答−NGOの熱帯林行動ネットワーク、森林問題についてアンケートを実施−
|
森林問題関連記事
2003/10/31
森林ボランティア支援室を開設しホームページで情報提供−林野庁、「森林ボランティア団体等との意見交換会」を受けて−
2001/11/12
23%の企業が原生林から生産された紙の利用を停止すると回答−NGOの熱帯林行動ネットワーク、森林問題についてアンケートを実施−
2001/10/25
「脅迫止めさせて」アマゾン森林の違法伐採反対活動への妨害行為−グリーンピース、ブラジル大使館に対しアピール行動−
|