厚生労働省は、2000年度国民健康保険(市町村)の財政状況についての速報を公表した。
一般被保険者分と退職被保険者分とを合わせた収支状況において収入合計は、9兆1,097億円で、対前年度5.5%(4,728億円)の伸び。支出合計は、8兆8,290億円で、対前年度5.1%(4,250億円)の伸び。
収支差引額は、2,806億円で対前年度20.5%(478億円)の伸びで、国庫支出金精算額等を考慮した収支差引額(精算額控除後差引額)は、2,277億円(対前年度増加率22.7%、増加額421億円)となっている。
収入が増加した主な要因は、保険料(税)の伸びが前年度と比較して大きい(1999年度伸び率3.1%、増加額891億円、2000年度伸び率6.7%、増加額2,006億円)ことが挙げられる。これは、2000年度に導入された介護保険制度における介護納付金分にかかる保険料(税)が賦課されたことによる。
また、退職被保険者等に係る療養給付費交付金も、主に被保険者数が増えたことにより、前年度と同様(1999年度伸び率12.8%、増加額1,334億円、2000年度伸び率10.3%、増加額1,210億円)に増加している。
支出が増加した主な要因としては、前述の介護保険制度導入により、老人保健拠出金が減少(1999年度伸び率14.0%、増加額3,063億円、2000年度伸び率▲6.7%、減少額1,684億円)したものの、新たな支出として介護納付金(3,899億円)が計上されたことが挙げられる。
また、保険給付費についても、前年と比較して、伸び率で3.1%、金額で1,666億円増(1999年度伸び率3.3%、増加額1,954億円)となっており、引き続き増加している。
一般被保険者分の収支状況については、収入合計7兆3,428億円、支出合計7兆1,479億円で、収支差引額が1,949億円、精算額控除後差引額が2,277億円となっている。
これを単年度経常収支(精算額控除後差引額から「基金繰入金」、「繰越金」及び「そのほか」の支出のうちの「介護円滑導入給付金」を除いたもの)でみると、赤字額は対前年度比で、207億円減少したものの、その総額は▲998億円となり、赤字基調が続いている。
さらに、一般会計繰入金に含まれている赤字補填分(2,254億円)を加味した場合、赤字総額は▲3,252億円となる。
また、単年度経常収支をみた場合の赤字保険者は1,722保険者(53.1%)で、対前年度に比べて保険者数で245保険者、赤字額では92億円それぞれ減少しているが、赤字保険者の総額は▲1,486億円となっている。
なお、精算額控除後差引額の状況でみると、赤字保険者は258保険者(8.0%)で前年度に比べ45保険者増加し、赤字額も8億円増加して▲920億円となっている。
今後とも高齢化の進展等に伴う保険給付費、老人保健拠出金及び介護納付金の増加等、支出の増加が見込まれることなどから、市町村国保の財政状況は依然として厳しい状況になるものと予想される。
|