テルモは、高齢者用微量ミネラル入り高カロリー栄養食「テルミール」のシリーズの新商品として「テルミールミニα」を全国の病院など医療機関向けに発売した。同時に、在宅で療養している患者向けに通信販売もおこなう。
テルモはすでに発売している「テルミール2.0」「テルミールミニ」「テルミールソフト」などの高カロリー栄養食を通じ、医療機関や自宅において充分な食事を摂れない人の栄養摂取支援に取り組んでいる。
新製品の「テルミールミニα」は、通常の食事だけでは十分にカロリーがとれない患者や食の細い高齢者の人が栄養を摂取するための高カロリー栄養食で、微量ミネラルやビタミンもバランスよく配合されている。36本入りで、希望小売価格は7200円。
ご飯山盛1杯分程度にあたる200kcalを、「テルミールミニα」125mLで摂取することができ、「少量でも高エネルギー」を実現した。
味にも配慮し、「抹茶味」と「いちご味」を用意した。モニターテストでも従来品より飲みやすいとの評価を得ている。
栄養所要量6次改定に準じたバランスのよい栄養組成とし、ビタミン、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄)及び微量ミネラル(銅、亜鉛、マンガン、セレン)を成人男性の1日所要量の20%配合した。
微量ミネラルとは、人間の1日の摂取量が100mg以下のミネラルで、2000年4月に発表された、「第6次改定日本人栄養所要量」(厚生省)では、新たに、銅、亜鉛、マンガン、セレン、クロムなどの7種の微量ミネラルと、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸など6種のビタミンが追加収載された。また、2000年12月発表の「5訂食品標準成分表」(科学技術庁)には、亜鉛、銅、マンガンが追加表記された。これは、栄養管理を欧米の水準並にグローバルスタンダード化することと、生活習慣病の予防を目的としている。
微量ミネラル不足による各種欠乏症も注目されている。ミネラルには、身体のバランスを保つための多くの役割があり、その摂取量が不足すると様々な身体の不調が現れる。例えば、「鉄」には血液中の酸素を運搬するヘモグロビンを作る役割があるため、不足すると貧血や免疫低下などを引き起こす。また、「亜鉛」は消化や代謝に必要であるとともに、インスリン成分の1つだが、不足すると皮膚炎や味覚異常を引き起こす。さらに最近注目される「セレン」は老化を防ぎ、心疾患を予防する効果があるが、不足することで心筋症や心筋梗塞などを引き起こすとして、医療現場でも特に注意が喚起されている。
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