独立行政法人通信総合研究所は、足が弱った高齢者・障害者が自由気ままに散策や買い物ができることを目指し、ユーザーを乗せて危険回避ができる乗り物の初期モデルを開発した。
乗り物は、普段はバリアフリー情報を持っている地図などを利用して普通に運転できるが、緊急時にはセンサーや道路状況を監視するシステムから情報を受けて危険を自動的に回避することもできる。高齢者・障害者の情報へのアクセスと歩行を支援するための技術開発により、より自立した生活と積極的な社会参加への道を開くことを目指すものとして開発した。
同研究所の、けいはんな情報通信融合研究センターは、ロボティック・コミュニケーション・ターミナル「RCT」を開発している。
RCTは、お年寄りや障害を持つ人々が自由に市街地を移動できるよう支援するための端末からなる総合的な概念。道路などに設置されその周辺を監視する「環境端末」、道路のバリア・バリアフリー情報を蓄積しユーザーに最も適当なルートを提供する「移動支援GIS」およびユーザーを乗せてユーザーの移動を支援する「ユーザー搭乗型移動端末:インテリジェント・シティ・ウォーカー(ICW)」から構成される。これらの役割の異なった端末同士が通信し、互いに協力し合うことによって、ユーザーの市街地での移動を支援する。
それぞれの役割をみると、「ICW」は、お年寄りのための乗り物、セニアカーを更に進歩させたもの。この端末は、通常の乗り物としての機能に加え、ネットワークを通じて目的地への経路案内や事故などの情報を入手する。
さらに、道路監視端末との通信によって、周辺や遠隔地の障害物や人・車の有無などの情報も入手できる。この端末には、超音波センサー、赤外線センサー、画像センサーが設置されており、すべての情報を総合的に判断して危険を回避する。
「環境端末」は、街灯などに設置したカメラで、周辺の人・車の動きや障害物を検知する。検出した情報は、周辺を移動するユーザーに伝えられるだけでなく、遠隔地のユーザーにも移動経路を決めるための材料として提供される。
「移動支援GIS」は、各端末から使えるバリア・バリアフリー情報を蓄積した歩行者用移動支援地理情報システム(GIS)。道路、交通量、交差点のほか、バス停、階段、公共機関の情報が管理される。道路のバリア・バリアフリー情報が地図の中に張り込まれている。
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