三菱自動車工業では、国内で初めて全幅2mクラスの小型ノンステップバスを開発し、4月23日より全国のふそう系販売会社から発売する。
ふそう小型ノンステップバス「エアロミディME」は、より高い機動性が求められる狭隘(きょうあい)路線や都市内コミュニティー・バス向けに新開発した、全幅2mクラスの小型ノンステップバス。
今回の「エアロミディME」の追加により、三菱自動車が国内で初めて市場投入した大型ノンステップバスから、全幅2mクラスの小型ノンステップバスまで、ふそうノンステップバスのフルラインナップが完成した。
マイカーの普及や鉄道・地下鉄網の発達などの理由により、バス利用客が減少、路線バスの総需要は減少傾向にあるが、小型路線バスは、都市部やその周辺での繁華街と住宅地域を結ぶコミュニティ・バスの発達、高齢化や過疎化の進む市町村での、自治体運営による路線バスの増加などにより、年々増加傾向にあり、総需要はこの10年間で約3倍にもなった。
新開発した「エアロミディME」は、高まった小型路線バスのニーズに答えるもので、リーズナブルな価格設定のうえ、機動性に富んだ本格的な小型ノンステップバス。同社では、新たな運行路線や利用客を見い出し、その活躍の場を一層広げることと予想している。
「エアロミディME」の最小回転半径は5.7m、直角旋回占有道路幅は4.5m、スマートボディが卓越した小回り性を実現した。街中や狭い道路を運行する際に、スムーズな走りを可能にする。
小型クラス(全幅2m×全長7m)で、国内初の本格ノンステップバスとなっており、床面地上高を375mmとし、従来全幅2mクラスは適用を除外されていた、交通バリアフリー法の床面高さの条件を、充分満足している。
また、乗降ロのステップ高は前扉295mm、中扉335mmで、ニーリング装置(オプション)を使用すればステップ高は更に50mm低下、子どもから高齢者までスムーズな乗降を可能にする。また、ゆとりの室内高とワイドな側面窓により広々とした室内空間を実現した。
駆動系にはT-Drive方式(エンジン横置き)を採用。これによりショートリヤオーバーハング、ロングホイールベースの車両レイアウトとし、全長7mの小型クラスでありながら広いノンステップエリアの確保を可能とした。
また、新開発のフロント・ワイドエアサスペンションの採用により、全幅2mクラスのノンステップバスでありながら、フロントタイヤハウス間の通路幅を確保。乗客が車中を移動し易い、優れた室内空間を実現した。
ノンステップフロアを採用した車体は、充分な室内高を確保することにより、ガラスエリアを広く取ることを可能とし、立席利用者にとっても居住性が向上した。
交通バリアフリー法に適合しており、車いす乗車スペースの確保、スロープ板(着脱式、床下収納タイプ)、滑りにくい床材、大型方向幕、次停留所名表示器などを採用している。
路線バスとして充実した装備を標準採用しており、間接確認装置(中扉車外光電管取り付け)、握り棒・保護パイプクッションの採用など、ノンステップバス標準化仕様に準じている。
オプション装備も充実、アイドリングストップ&スタートシステムでは、環境と省エネルギーに配慮、停留所や交差点の信号待ちで停車中にエンジンを自動停止し、発進時に再始動して、排出ガスと燃費を低減する。
4輪ニーリング&車高アップ装置では、運転席に設置したスイッチ操作により車高全体を上下させる車高調整装置の車高ダウン機能(4輪ニーリング)は、停車時に車高を50mm下げ、子どもから高齢者まで全ての乗客により快適な乗降性を提供する。いっぽう、車高アップ機能は、車高を50mm上げることで凹凸や起伏のある路面で障害物等との干渉を避けるのに有効。
イージーゴー(EZGO:坂道発進補助装置)では、坂道発進時の面倒な駐車ブレーキ操作やペダル操作を解消し発進操作を容易にする。また、坂道で信号待ちの時にはブレーキを踏み続ける動作を軽減できる。
販売目標台数は年間200台、代表車種の価格は、KK-ME17DF ノンステップ前・中扉(前乗り単区間)が12,910千円。KK-ME17DF ノンステップ前・中扉(中乗り多区間)が13,400千円となっている。
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