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2025年の厚生年金、国民年金保険料は現行の倍程度に増加

−厚生労働省、「新人口推計の厚生年金・国民年金への財政影響」−

2002/05/24(Fri.)

 厚生労働省は、新人口推計の厚生年金・国民年金への財政影響について公表した。

 今年1月に新人口推計(「日本の将来推計人口」国立社会保障・人口問題研究所)が公表され、出生率の低下、平均寿命の伸びなど、年金制度の基礎となる人口の将来見通しに大きな変化があることが示された。

 このため厚生労働省では、次期制度改正の検討を進めるにあたり新人口推計の年金財政への影響を明らかにすることを目的として、1999年の財政再計算を基に、2000年度末の被保険者数等の実績を初期データとして、将来推計人口を前回人口推計ベースから新人口推計ベースに機械的に置き換えた試算をおこなった。

 試算の前提としたのは、2002年将来推計人口の出生率と寿命で、2050年における平均寿命は、男子80.95(79.43)歳、女子89.22(86.47)歳(( )内は1997年推計における推計値)。

 そのほか、経済的要素として、賃金上昇率2.5%(2007年まで1.0%)、物価上昇率1.5%(2007年まで0.0%)、運用利回り4.0%(2007年まで2.5%)、年金改定率(新規裁定者分、年当たり)2.5%(2008年まで0.8%、平成36年財政再計算期まで2.3%)。人口学的要素、推計の初期データである基礎数は直近の2000年度末のものとし、人口推計以外の基礎率(脱退率等)は1999年財政再計算と同様とした。また、国庫負担割合を1/2とする場合には、2004年10月から引上げとした。

 試算の結果、2025年度以降の最終保険料(率)(総報酬ベース)は、財政影響を最終保険料(率)でみた場合、1999年財政再計算ベースと比較して高位推計では0.50%程度、中位推計では1.50%程度、低位推計では2.5〜30%程度の増加となっている。

 主な要因は、高位推計では、寿命の伸びの影響によるもので、中位推計では、寿命の伸びの影響が0.50%程度、少子化の影響が10%程度、低位推計では、寿命の伸びの影響が0.50%程度、少子化の影響が2〜2.50%程度−−となっている。

 具体的な影響は、当面、寿命の伸びに伴うものが生じ、少子化の影響は、概ね2020年以降の長期の将来に向けて生じる。

 現在の保険料(率)は、厚生年金13.58%(総報酬ベース)、国民年金13,300円。


試算結果
( )内は1999年財政再計算ベースを100とした指数 1999年財政再計算ベース 高位推計 中位推計 低位推計
国庫負担割合
1/3
厚生年金 21.6%
(100)
22.8%
(106)
24.8%
(115)
27.5%
(127)
国民年金
(1999年度価格)
25,200円
(100)
27,100円
(108)
29,600円
(117)
33,000円
(131)
国庫負担割合
1/2
厚生年金 19.8%
(100)
20.6%
(104)
22.4%
(113)
24.8%
(125)
国民年金
(1999年度価格)
18,500円
(100)
19,900円
(108)
21,600円
(117)
24,000円
(130)


 いっぽう、新人口推計対応試算による、国民年金保険料月額の年次推移をみると、2002年度は、国庫負担割合1/2、1/3ともに13,300円となっているが、2025年度には中位推計で、国庫負担割合1/2の場合21,600円、国庫負担割合1/3の場合29,600円と約2倍にまでなる。


国民年金 保険料月額の年次推移
保険料月額は1999年度価格 1999年財政再計算
(単位円)
新人口推計対応試算
(単位円)
国庫負担割合
1/3
国庫負担割合
1/2
国庫負担割合
1/3
国庫負担割合
1/2
2002年度 13,090 13,090 13,300 13,300
2005年度 13,200 10,000 13,200 10,000
2010年度 17,200 13,000 17,200 13,000
2015年度 21,200 16,000 21,200 16,000
2020年度 25,200 18,500 25,200 19,000
2025年度 25,200 18,500 高位 27,100 19,900
中位 29,600 21,600
低位 33,000 24,000


 同省では、今回の新人口推計における少子高齢化は、欧米主要国と比較しても著しい程度で一層進行するもので、将来の日本の社会経済全体に大きな影響を及ぼすので、従来にも増した本格的な少子化対策を推進することが求められており、厚生労働大臣の下で「少子化社会を考える懇談会」を発足させている。

 また、今回の年金制度の改革において、新人口推計をどう受けとめるかについては、今後の少子化対策の検討を見つつ、国民に開かれた形で幅広い観点に立った十分な検討が必要。その際、雇用政策と相まって高齢者や女性など支え手を増やす方策を検討することが重要。−−とした留意点を挙げた。


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