国民生活センターは、「介護が必要な高齢者のための住宅改修 消費者相談からみた問題点と課題」を公表した。
手すりの取り付けや段差の解消、便器の取り替え工事など、「介護が必要な高齢者のための住宅改修」に関する相談が増えている。国民生活センターと全国の消費生活センターには、介護保険制度がスタートした2000年度は62件、2001年度は136件、計198件が寄せられている。
それらは、介護保険の範疇に止まらず、消費者被害は深刻な様相を呈している。「介護保険による住宅改修」を勧誘の入り口とし、狙いは高額の工事契約締結という訪問販売をめぐるトラブルが全国で表面化し始めている。同センターでは、住宅改修にかかわるトラブルの未然防止のために、問題点と課題について公表することとした。
相談は、2つに大別でき、1つは、介護保険の範疇の住宅改修に関する相談。2つは、介護保険や市町村の助成制度が利用可能などと勧誘され、高額な工事費を請求されるといった相談。−−となっている。
報告によると、2001年度の相談件数136件と、前年度の62件の2倍を超えた(合計198件)。住宅改修の種類別では、「段差の解消」工事をめぐるトラブルが多い(36.9%)。次いで、「手すりの取り付け」(21.2%)、「便器の取り替え」(18.9%)が続く。
相談事項別では、販売方法(41.9%)と解約(40.1%)をめぐるトラブルが多い。そのほか、取引条件、工事内容、工事費用、事故・破損等の相談がみられる。
契約金額の明らかな153件についてみると介護保険利用の限度額20万円以内は22.2%(34件)で、10万円以下のケース(1.3%)もある。また、専門家(大工、建築士)がみると、20万円もかからないと思われる改修工事であるにもかかわらず、限度額の20万円を請求されている事例もある。
20万円台から30万円台は11.1%(17件)で、20万円の枠内では、できない工事もあるが、介護保険利用の機会に、消費者に十分説明をしないまま、保険適用外の改修工事を勧めている事例がみられる。20万円を超える額は全額消費者負担で、トラブルとなっている。
200万円を超えるケースは22.2%(34件)で、200万円台は11.1%(17件)、300万円を超えるケースも同じく11.1%。なかには、500万円を超える契約の相談も寄せられている(5.2%)。
相談内容の特徴をみると、介護保険の範疇のトラブルとしては、居宅介護支援事業者が住宅改修事業者を兼ねる(関連する)場合の相談が目立つ。そのほか、施工業者の改修経験・知識不足により、役に立たない雑な工事がなされている。改修目的・工事内容・費用(20万円内外)の説明不十分。アセスメントなし。−−などがある。いっぽう、介護保険利用などを勧誘の手口に使ったトラブルとしては、介護保険利用可能と勧誘され、内金を支払った後、利用できないと分かる。説明不足、契約内容があいまい。解約を申し出たら高額の違約金を請求。「介護保険利用・市町村の助成制度利用」をうたい高額の契約をさせられた。−−などがある。
これらのことから、制度上の問題点と消費者被害の未然防止の課題として、住宅改修制度の見直しと消費者行政・福祉行政・建築行政の連携を強化することが挙げられ、具体的な内容としては、「安心して事業者を選ぶためには複数の専門家をつなぐ仕組み作りが必要。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、住宅改修の面も支援してほしい。事後申請から事前申請。改修費の90%は事業者が市町村から受領する方法へ。消費者行政・福祉行政・建築行政の連携強化を。住宅改修の情報提供と悪質な販売への注意喚起が必要」などが指摘された。
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