東レは、関係会社である滋賀殖産と共同で、繰り返し使用が可能なため資源の節約になり、環境への負荷が少ない成人介護用おむつ「アートレイ」を開発した。同商品は、肌に快適で装着感がよく、吸水速度と保水性能に優れているものとなっている。
リネン業界、病院、一般家庭向けに滋賀殖産が発売を予定しており、価格は標準タイプ(LGK-6)で3,500円/枚、初年度は50万枚(17.5億円)、3年後は240万枚(84億円)の販売を見込む。
「アートレイ」は、表面(肌面)、中間層(吸水層)、外側(防水層)の3層を一体化した介護用おむつ。肌面には、同社の吸汗・速乾性ニット素材“フィールドセンサー”を使用し、瞬時に吸水して表面をサラサラと乾燥した快適な状態に保つ。
中間の吸水層には、ナイロン70%、ポリエステル30%の極細繊維からなる不織布を使用、また、防水層にウレタンフィルムボンディングされた防水素材を使用している。
吸水層部分には、特殊口金によるナイロンとポリエステルの複合繊維を使用しており、それを分割して極細繊維にすると同時に交絡することにより構成される多数の微細空間が水分を保持する。保水性能は木綿の約1.3倍を実現している。
さらに、「アートレイ」は、厳しい工業洗濯にも優れた形態安定を保つこと、吸水性能が変化せず繰り返し使用できるので資源の節約になり環境への負荷が少ないこと、布おむつに比較すると軽量でコンパクト、などの特長を持っている。このことは、装着、洗濯、折り畳み、保管、運送などのあらゆるシーンで、利用者の視点に立った、使い勝手の良い商品といえる。
介護現場における排泄の問題は、介護される側・介護する側にとっても日常生活の切実な問題。いっぽう、リネン業界からも軽量で洗濯性に優れたおむつ開発への要望があり、「アートレイ」はこのような介護現場の声をキャッチし、開発した商品。要介護者に対しては着用の快適さを、介護者にとっては、介護の負担を軽減させることができる。今後は、乳児用おむつにも展開を拡げていく。
技術面をみると、新規吸水・保水素材は、非相溶の特殊なポリエステルポリマとナイロンポリマを組み合わせ、東レ独自の複合紡糸技術を駆使し製造した特殊分割繊維を用いて、水流交絡により分割させると同時に多数の微細な繊維空間をもつ不織布を開発した。
不織布は、従来の木綿おむつのように繊維そのものが吸水・保水するのではなく、分割された極細繊維による微小空間が毛細管現象により水分を保持するため、吸水・保水性能を向上させることができた。また、特殊な防縮加工を施すことにより、厳しい工業洗濯においても収縮をおさえることが可能となり、形態安定性に優れた素材。
同不織布を吸水・保水材として、肌にふれるトップシートに、優れた吸水拡散性を有する“フィールドセンサー”と外側に洗濯耐久性の優れた特殊ウレタンフィルムを積層した防水布を用いた特殊な3層構造を採用することにより、優れた吸水性能とドライ感を有すると同時に漏れや逆戻りの少ないおむつとなった。製品の特許は、権利化・出願済み含め計10件。


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