三菱重工業は、農業用・産業用の各種作業機の動力源として使用されている三菱メイキエンジン「GMシリーズ」において、従来の半分の力で、高齢者や女性でも楽に始動できる「ミラクルスタートエンジン GM82(排気量80cc/出力2.4馬力)」を開発し、発売を開始した。
昨年11月に発売した2サイクルエンジン「TLシリーズ(排気量22.5〜25.6cc/出力1.2〜1.4馬力)」に引き続いて、業界では初めて、出力の大きい4サイクルエンジンでもリコイル引き力を軽減するタイプを開発したもの。年間1万台の販売を計画している。
「GM82」エンジンは、主に田畑への給水用ポンプや工事現場での排水用ポンプ、野菜・くだものなどの農作物運搬車、田畑を耕す耕うん機などの動力源として使用されている。
エンジンの始動は、ロープを引く方式(リコイルスターター)が一般的だが、ロープを引く際にエンジン内部で大きな抵抗力が働くため、かなり大きな力が必要で、農業従事者の高齢化・女性化が進むなか、より引き力が軽くて楽に始動できるエンジンが求められていた。
これまでも、エンジン内部の抵抗力を低減する機構はあったものの、大幅に軽い力での始動を実感できる4サイクルエンジンは、これまでにはなかった。
今回発売した4サイクルの「ミラクルスタートエンジン GM82」は、2サイクル「ミラクルスタートエンジン」で培ったゼンマイ仕掛け機構のノウハウを4サイクルエンジンにも応用したもの。
リコイルロープを引く時に、リコイルスターター内部のゼンマイに蓄えるエネルギーがシリンダー内圧力を上回ると一気に開放されて、シリンダー内で圧縮した気体の膨張エネルギーを補助するかたちでエンジンを高速で回す仕組み。
これにより従来のおよそ半分の力でエンジンのらくらく始動を可能にしている。またリコイルロープをゆっくりと引いてもエンジンがかかるため、腕や肩に負担が少なく、高齢者や女性にやさしい商品となっている。
このほか、重量やサイズも従来エンジンとほとんど変らない(乾燥質量:従来比+400g、全長:同+13mm)ため、作業機側の設計をほとんど変更することなく搭載できる。さらにシンプルな構造で、容易な部品交換を可能にしている。
同社は、今後、4サイクルのGMシリーズエンジンである「GM132」(排気量126cc/出力4馬力)および「GM182」(同181cc/同6馬力)へも、「ミラクルスタート」のシリーズ展開を図っていく。

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