神鋼電機は、帝都高速度交通営団(以下、営団)に、バリアフリー対応の自動券売機、カード発売機、自動精算機など合計313台を一括受注し、124の駅に納入することとなった。受注金額はおよそ20億円程度。
これまで自動券売機は、発券部、検釣部、紙幣部、カード部など、主要ブロックを券売機メーカー各社が得意分野ごとに分担し、他の券売機メーカーは各社のブロック製品の供給を受けて、製品を完成させて納入するという方式が一般的だった。
今回の納入券売機は、紙幣ブロックを含むすべてのブロックを同社が独自開発したものを採用しており、その意味で画期的なことであると同時に、結果として大幅なコストダウンを実現したことにより、営団からの大量一括受注となった。
営団では現在164駅あるうちの124駅のリプレースとして発注したもので、自動券売機を含め313台もの一括受注は業界では初めて。
今回納入した券売機は、大型カラー液晶タッチ式ディスプレイの採用や、硬貨複数枚、紙幣20枚を一括投入可能など業界初の機能を備えるとともに、バリアフリータイプで交通弱者の人にも容易に操作できる券売機。
券売機の特徴は、ボディの高さは1500mm、接客面1200mm以下に設定、背の低い子供でも乗車券が買える低床式。低ボディでも背の高い人が扱いやすいように接客面を30°傾斜させており、スムーズに金銭投入から乗車券の受取まで行える。
前面下に切れ込みを設け、車いすの人でも券売機の正面から操作できる。操作面は大型カラー液晶タッチ式ディスプレイを採用。弱視者や機械操作に不慣れな人のために音声で券売機の操作を案内したり、点字キー・文字拡大機能を採用している。また、英語の表記、英語の音声案内も可能とした。
視聴弱者の人が操作しやすいよう点字キー・文字拡大機能を採用。硬貨は最大複数枚、紙幣は20枚まで混在して一括投入できる。ネットワークを通して、遠隔監視、操作が可能。また、売上げデータのアップロードや運改データのダウンロードが可能。
発券部、金銭部、カード部などそれぞれユニット化し、メンテナンスしやすいように引きだし式。また、サーマルヘッドの電流自動補正、ヘッドギャップの無調整化など保守性を向上させている。
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