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介護サービス関連の苦情を基に、事業者と保険者などに対し提言

−東京都国民健康保険団体連合会、「介護サービスの充実に関する提言」−

2002/07/19(Fri.)

大人の青汁
 東京都国民健康保険団体連合会は、介護保険制度開始以来、介護給付費の審査支払と苦情相談の受付、指導助言を行ってきた。この2年間第一線で実務を担当してきた実績を踏まえて、苦情処理という独自の視点から、東京都や保険者、事業者等向け提言をまとめた。

 同会では、苦情には、特定の種類の施設やサービスに苦情が多いという特徴がみられ、そのような問題意識を関係者が共有してサービスの改善に取り組めば、介護サービスの質の向上に資するところは大きいと考える。−−としている。

 今回まとめた「介護サービスの充実に関する提言」では、苦情処理からみた介護サービスに関する提言として「苦情をサービス改善のきっかけとして有効に活用すること」「介護サービス利用に対する利用者の理解を深めるための普及啓発活動を充実すること」「介護サービス利用の要となるケアマネジメントの質の向上を図ること」「介護老人保健施設については、開設時指導の充実・施設管理者および従事職員の研修の充実を図ること」の4つをあげた。

 提言1「苦情をサービス改善のきっかけとして有効に活用すること」をみると、同会は、制度施行以来、介護保険の苦情処理機関として介護サービスの質の向上に関する相談・苦情を受け付け、必要な調査、指導・助言を行ってきたことから、これまでに取り扱ってきた苦情の内容で、介護保険の理念や事業者の運営方針が職員に徹底していない、事故が発生したときの初期対応が不十分、職員の処遇技術が十分でないなど、総じて事業運営の基本に関わる事柄が多い。

 また、実際に苦情をサービス向上のためのきっかけに活用できる事業者と活用しきれない事業者の両方がみられることから、事業者は、事業運営の基本事項を着実に実施するとともに、苦情をサービス改善に必ず活用するよう努めること。また、保険者、東京都にあっては、そのような点に十分に留意して指導をするよう提言している。

 苦情をきっかけにサービスを改善した実例では、褥瘡(じょくそう)悪化に起因した苦情申立のあったケースの場合、介護老人福祉施設では、国保連の指導を受けた後、プロジェクトチームを設置し、マニュアルを作成するとともに施設内から褥瘡を一掃する取り組みを全職員一丸となって展開し、1年掛けてこれを一掃した。

 また、他の介護老人保健施設では、家族への説明、意思疎通が不十分であったことを反省し、3ヵ月毎の介護計画の見直しに際し、その内容を全家族に送付し、疑問に答える等充分説明するよう改善した。

 そのほかの実例では、通所リハビリテーションで説明不足が苦情に繋がった介護老人保健施設では、毎月の請求書を送付する際、返信用の切手を同封し、相談・苦情、意見を言えるよう工夫したところコミュニケーションが円滑化し、成果が上がった。

 提言2「介護サービス利用に対する利用者の理解を深めるための普及啓発活動を充実すること」をみると、介護保険における保険者・国保連・都道府県等の相談窓口は、サービス利用者の権利・利益の擁護や介護サービスの質の向上を主な目的として設置されたものであるため、そこに寄せられる相談・苦情の多くは、利用者や家族からのもの。

 しかし、そのいっぽうで、利用者あるいは家族の「無理なサービス要求」「訪問してからのキャンセル」「不適切な言動」などによる、サービス提供事業者から利用者に対する苦情が出されるなど、事業者が困難ケースに難渋する場面が増加しているのも実状。

 同会が受け付けた苦情でも、それらの事例が漸増しているほか、調査結果の説明に対して「こだわりが強くて納得しない」利用者・家族の例は多く、対応に苦慮することが少なくない。

 これは、利用者の間で、介護保険制度に関する理解がまだ十分には普及していないためと考えられる。

 介護サービスは、利用者と事業者との契約により提供されるもので、サービスを受ける者と提供する人は、相互信頼の基に共に契約のルールに従うことがサービスの円滑な実施のために必要。

 そこで、事業者が、利用者に対し契約の内容を十分に説明することを前提にしたうえで、保険者にあっても、住民に対し、介護保険の仕組みに関する普及啓発活動を充実することを提言している。

 提言3「介護サービス利用の要となるケアマネジメントの質の向上を図ること」をみると、ケアマネジメントは、利用者の選択に基づき適切なサービスが総合的かつ効果的に提供されるための仕組みで、介護サービス利用における要となっている。

 しかし、苦情事例をみると、「希望どおりのプランを作成してくれない」「ケアマネジャーから連絡が来ない、また来てくれない」「ケアプラン・利用料等についての説明が不足」「サービス事業者との調整がきちんとされていない」等、本来必要なケアマネジメント機能が果たされていない実態もある。

 この背景には、ケアマネジャーの力量に差があることや、サービスの調整やモニタリングを充分に行うには業務量の負担が大きいという事情がある。

 また、困難事例に直面したときには、ケアマネジャー自身が相談のできる体制が不可欠で、基幹型在宅介護支援センターなどがその役割を果たすことが期待されるが、区市町村により差のあるのが実情。

 そこで、質の高いケアマネジメントを実現できるよう、ケアマネジャーの資質の向上を図るとともに適切な業務量とすること、基幹型在宅介護支援センターの活用など地域で支援する体制の充実を図ることを提言している。

 提言4「介護老人保健施設については、開設時指導の充実・施設管理者および従事職員の研修の充実を図ること」みると、都全体における2002年3月末現在の介護サービスに係わる苦情発生状況で、介護老人保健施設(短期入所療養介護・通所リハビリテーションを含む)は、他の施設と比べて著しく高い数値となっている。また、介護サービス全体を通じても同様となっている。

 同会の介護サービスの相談・苦情の受付状況はなかで、介護老人保健施設に係わる苦情の発生状況は、都全体の場合と同様に著しく高いものとなっている。

 同会に対する介護老人保健施設に係わる苦情申立は、2000年度は14件、2001年度は15件あった。施設の開設年度を調べたところ、1998年度以降開設の施設への苦情が多くなっている。

 これは、新規開設事業者の介護サービスへの認識不足、事故等危機管理対応の準備不足が原因と考えられる。従って、適切な法人・施設運営のための開設時指導を介護老人保健施設について行う必要がある。

 また、施設が設置される区市町村においては、施設建設中の法人に対し、開設後の運営に支障のないよう、十分連携を図る必要があるなどのことから新規開設時の開設者への指導を充実することを提言している。

 そのほか、苦情内容および指導助言内容をみると、「転倒し骨折、入院したが対応が悪い(初期の対応が遅い、管理者等職員の態度が悪い、謝罪しない等)」など事故発生時の対応が不適切、「褥瘡、肺炎等状態悪化時対応が不十分」などの問題がある。

 また、入退所の際に十分行なうべき説明、同意の欠如による利用者・家族との信頼関係の未構築もしくは信頼関係の崩壊、苦情相談機能の未熟さが苦情発生の原因となっていることが多い。

 この背景として、従事職員の技術が未熟であるとともに、高齢者の自立、尊厳、平等の理念にのっとった丁寧な対応をするという姿勢が定着していないことがあげられる。

 また、苦情調査の結果、研修が十分に行われていない実情が認められた。そのため、施設管理者等が強力にリーダーシップを発揮し、「組織の力」のレベルアップを図ることが必要であると思われるなどのことから施設長および従事職員の研修の充実を提言している。


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