経済産業省は、「高齢者のIT利用特性データベース構築等基盤設備整備事業に関する調査研究」を公表した。
同事業は、超高齢社会と情報化社会を迎え、高齢者は、その好むと好まざるとに係わらず様々なIT機器(例えば駅の自動券売機や銀行のATM等)と付き合わざるを得ない状況になってきており、今後ますますその傾向が強まると考えられることから、高齢者が無理なく使いこなせるIT機器の設計に役立つ指標を提供するために実施したもの。
データを収集・計測した人数は、若年者28人(20歳代)、中年者28人(50歳代)、高齢者32人(65歳以上)の88人。
視力および視野角等について計測する知覚適合性(表示文字)テストでは、記憶できる文字数を測定し、正答率の測定条件として、文字を2秒間提示し5分後に答えてもらい、その正答率を測定した。
その結果、高齢者は7文字になると急激に記憶力が低下することから、暗証番号の入力等に影響することが明らかとなった。
3文字、5文字、7文字の数字(251,82175,7329481等)の記憶力測定では、高齢者の3文字と5文字、若年者の全てにおいて90%以上の正答率であったが、高齢者は7文字においてのみ正答率が50%以下となった。
同様に、無意味綴り(IDT,KDXOR,JPDARKC等)の記憶力測定では、高齢者の3文字と5文字、若年者の全てにおいて90%以上の正答率であったが、高齢者は7文字においてのみ正答率が20%以下となった。
誤操作率、押下時間等について計測する操作適合性(入力デバイス、操作キー)テストでは、キーボードのキーの間隔はどれほどあれば良いのかを測定した。キー間隔とは、押すキーの中心から隣り合うキーの端までの距離を指す。
計測の結果、誤操作を起こさないためには、キー間隔として6〜7mm程度必要であり、キー間隔が狭いと高齢者は間違いやすいことがわかった。
また、キーボードやマウスに慣れていない高齢者にとってタッチパネルは使いやすいかどうかを見極めるテストでは、ポインティング時間を計測し、マウスとタッチパネルを比較した。
パソコンの画面上にターゲット(大きさおよび位置がまちまち)を表示し、あらかじめ決められたホームポジションからターゲットに移動するまでの時間を計測したところ、マウスでは高齢者ほど時間がかかり、タッチパネルでは、年齢郡による差はなく、全年齢でマウスより速いことがわかった。
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