日本IBMは、厚生労働省外郭の特殊法人である社会福祉・医療事業団が運営する、地方自治体、福祉施設、医療施設等向けの福祉保健医療情報ネットワーク・システム「WAM NET」の会員向け情報ネットワークにおいて、ブロードバンド対応のIP-VPNネットワーク・サービスの提供を開始した。
IP-VPNとは、広域IP(Internet Protocol)通信網を経由して構築される仮想私設通信網。
社会福祉・医療事業団の基幹サービスの一つであるWAM NETは、高度情報化時代に対応したネットワーク・システムとして1999年3月にサービスを開始した。介護保険関連審議会の会議資料や、介護関係の書式事例集等の情報を、インターネット上でだれでも見ることができる「WAM NET OPEN」と、専門機関などの35,000の登録会員(機関)だけが利用できる、「WAM NET COMMUNITY」の二つのサービスで構成されている。
新サービスは、一般的に情報化への対応が遅れているといわれている福祉分野において、IT化を大きく推進することが目的で、35,000の登録会員(機関)のうちの25,000機関が利用している、セキュアIP網によって提供していたWAM NET COMMUNITYサービスを、自宅はもとよりホットスポットなどの新たな利用環境からでも安全にネットワーク接続できる環境に再構築したもの。
これにより、一般電話やISDN回線からのダイヤルアップ接続でしか利用できなかったサービスを、定額の常時接続環境として急普及しているADSL(非対称デジタル加入線)などのブロードバンドで利用できるようになるため、大容量の資料なども高速ダウンロードできるようになる。
これまで、長時間にわたりWAM NETを利用している登録会員(機関)は、通信費用に多大なコストをかけていたが、定額のADSLを利用することで、利用コストが大幅に削減されるのも大きなメリット。
新サービスは、日本IBMが今年4月から提供を開始した「IBM(R)ブロードバンドVPNサービス」を利用している。企業や公共機関が業務にブロードバンドを導入する場合の最大の課題はセキュリティであるとされている。IBMブロードバンドVPNサービスの特徴である「トンネリング」技術を利用した高度なセキュリティ機能が評価された。
ネット上で送受信されるデータは、小包状の「IPパケット」と呼ばれる通信しやすい形に整えらるが、トンネリングとは、本来のパケットを別のパケットでカプセル化する技術で、IPパケットを暗号化することでさらにセキュリティ強度が上げられている。
新サービスは、パーソナル・ファイアウォール機能を搭載したクライアント用ソフトウェアも利用者のPCに導入されるため、自宅や外出先でも安全にネットワークに接続できる。
なお、日本IBMでは、このサービスを利用したeラーニング(遠隔教育)の提供など、新しいコンテンツの提供も視野に入れて社会福祉・医療事業団へのソリューション提供を続けていきたい意向。
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