国土交通省は、「ノンステップバス導入に見るバリアフリー施策の効果に関する調査」にについての結果を公表した。
調査は、ノンステップバスの導入に伴う、生活環境の変化についての身体障害者や高齢者等へのヒアリング調査と、乗務員の業務変化についてのアンケート調査を行った。
ノンステップバスの特徴は、路面とバスとのすき間・段差が小さいため、スロープにより介助なしの乗降も可能で、車両内での段差のない乗降が可能。
また、ニーリングにより乗降口を地上面近くまで下げることができるため、バス停の歩道に、ほとんどすき間なく停車できれば、車いす使用者の自力乗降も可能で、乗降時の段差移動が極小化されているために、足腰の弱い高齢者、ベビーカー利用者にとっても負担が軽減されるというもの。
2年前の交通バリアフリー法の施行以来、ノンステップバスを街中で見る機会が増えてきた。ノンステップバスは、1997年に国産のノンステップバスがはじめて導入されて以来、その数を徐々に伸ばしている。
これらのノンステップバスは超低床であるため、車いす使用者のみならず、杖を利用している人、高齢者、ベビーカー利用者等様々な人々のスムーズな乗降を可能としている。
今回、ノンステップバスの導入による効果を調査したところ、車いす使用者のみならず、ベビーカー利用者等様々な人の自由な外出機会の増加等の効果や、乗務員の負担軽減の効果がみられた。
ノンステップバス導入の効果としては、身体障害者や高齢者、ベビーカー利用者等の、自由な外出機会の増加、消費活動の活発化、障害者の意識の変化、乗降時の安全性の向上、家族や介助者の負担の軽減等が見られた。
ノンステップバス利用者等の声では、
「自宅や施設にこもりっきりだったが、ノンステップバスに乗れることがわかり外出機会が増えた」
「以前は行きたくてもいけない場所が多かったが、最近は行きたい場所に一人で外出できるようになり、夢のようである」
「バスの車窓から見つけたレストランに出かけるようになった」
「駅前周辺で買い物を楽しむようになった」
「カルチャー教室に通ったり、行ったことのないカフェに立ち寄ったりするようになった」
「ベビーカーをたたまずに乗り込むことができ非常に負担軽減となっている」
「小さい子どもでも容易に乗降できる」
「高齢者のタクシー代などの出費負担が軽減されるのではないか」
「公共交通のバリアフリー化が進めば、少しでもタクシー利用を減らすことができ、家計負担も軽減される」
「単独で駅にアクセスすることができるため、自家用車で送迎する家族の負担が大幅に軽減された」
「ノンステップバスが導入され、養護学校の生徒も普通の人と一緒に行動し、普通の生活ができるようになってきた。教育の場面でも、公共交通機関を利用する機運が高まっている」
「バスを利用するようになって、最近、性格が明るくなったと感じている」
といったものが見られた。また、一般の利用者へのノーマライゼーション思想の浸透として、「最近は、少しずつだが、周りの一般利用者から特別な目で見られることがなくなってきた」という意見もあった。
乗務員のバリアフリー業務に係る負担の軽減としての声では、「高齢者の乗降が楽になり、乗降時間も短縮でき、定時運行をしやすくなった」「車いす使用者の乗降について、一般車両と比べ短時間で安全に行えるため、乗務員の負担も軽減された」等があった。
また、乗務員の日常業務の変化(車いす使用者の介助)についての事業者アンケートを行ったところ、84社からの回答があり、車いす使用者単独での利用が増えている(32.1%:1位)、乗降に伴う乗務員の介助負担が軽減された(17.9%:2位)等の効果が出ていることが明らかになった。
ツーステップバス

リフト付きバス

ワンステップバス

ノンステップバス

|