山之内製薬株式会社は、英国のPhytopharm社との間でアルツハイマー型痴呆治療薬「PYM50028(開発番号)」に関し、ライセンス契約を締結したと発表した。
アルツハイマー型痴呆は、神経細胞が変性して脳が萎縮する疾患で、神経原繊維変化、老人斑、神経細胞死などの病理学的変化が特徴。主に初老期から老年期に発症するが、記憶などの認知機能低下が徐々に進行するとともに、徘徊などの行動異常や失語などの言語障害が現れる。日本国内におけるアルツハイマー型痴呆の有病者数は約80〜100万人と推定されており、高齢化の進展にともない今後も増加が予想される。
同契約に基づき山之内製薬はPhytopharm社より、アルツハイマー型痴呆を候補適応症とした「PYM50028」の日本およびアジアの一部における開発、製造および販売の独占的実施権を取得する。
また、山之内製薬はアルツハイマー型痴呆のほか、パーキンソン病や脳血管性痴呆などの候補適応症についても開発、製造、販売の第一選択権を留保している。
脳の神経細胞における情報や刺激は、生体内の神経伝達物質が細胞表面に存在する受容体に結合することにより伝達される。アルツハイマー型痴呆では、何らかの原因で脳の神経細胞が変性し、この受容体を介した神経伝達機能の低下が認められている。
Phytopharm社の植物由来成分の研究によって発見・合成された化合物である「PYM50028」は、前臨床試験において、脳神経細胞を保護する作用とともに、加齢によって減少した神経伝達物質受容体を増加させる作用を示すことが確認されている。これらの結果より、「PYM50028」は、アルツハイマー型痴呆等の神経変性疾患に対する治療薬になり得ることが期待される。
Phytopharm社は現在、英国において「PYM50028」の第1相臨床試験を実施しているが、グローバルでの開発、商業化を企図している。この契約に基づき、今後、日本およびアジアにおける臨床開発は山之内製薬が進めて行くことになる。
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