コーセーは、キャッシュバランス型の年金制度を運営する企業年金基金を設立した。キャッシュバランス型の年金制度を導入している企業は多数あるが、基金型の設立は日本では初となる。
基金型の特徴は、母体企業とは別法人の基金を設立。基金が年金資産を管理・運用し給付を行い、複数の企業の加入が可能となる。
同社におけるこれまでの年金制度は、将来受け取る年金額があらかじめ決っている「確定給付型」だった。最近は運用成績次第で年金額が決まる「確定拠出型」の制度に移行する企業があるが、今回コーセーが導入した新年金制度は、双方の特徴を活かしたキャッシュバランス型で設計したもの。
変動部分は長期国債の利回りを基に運用する点が特徴となっているため、将来受け取る年金額は変動するが、下限利率を設けることで変動リスクは一定範囲内となる。さらに、従来の退職金および厚生年金基金(加算部分・代行上乗せ部分)を一本化して取り込むことで、仕組みや運用面でよりシンプルな制度づくりを目指した。
近年、社会・経済環境の悪化から、年金資産の運用に伴う利差損の償却に迫られている企業が少なくない。同社においても、償却費負担の収益に与える影響が少なくないことから、収益力強化に向けた重要な経営課題の1つとして、年金制度の抜本的な改革への取り組みを進めてきた。
キャッシュバランス型の年金制度には、単独企業での規約型と、今回コーセーが導入した複数企業参加の基金型がある。今回、新年金制度での基金型採用の理由は、コーセーは子会社を含めた複数企業を一体化することで効率的な運営を目指したことによるもの。
新年金制度の構築にあたっては、「企業経営の観点から、代行部分を返上し、変動要素を取り入れた制度とすることで収益への影響の極小化を目指すこと」「コーセーグループ全体の従業員に対する福祉の観点から、一定の安定性を備えた年金制度を存続させること」「社会・経済環境の動向を鑑み、企業と従業員間のリスク負担のバランスをとること」などの3点を柱に検討を行なった。
同社では、今後、代行部分の返上と新年金制度の導入により、年金資産の運用に伴うリスクの軽減が図られることになり、企業収益力の強化につながるものと考えている。
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