健康保険組合連合会は、2003年度予算による健保組合財政状況を公表した。同調査は、2003年度予算見込回答組合の集計を基に、全組合ベースの経常収支状況、財政状況等を推計したもの。全組合数は、2003年4月1日現在で1,638組合、予算見込回答組合数は、1,443組合で全組合の88.1%だった。
回答組合から推計した2003年度の経常収支状況での収支差引は1,185億円の赤字となる見込み。
2000年度に介護保険移行に伴う老健拠出金の減少により一時的に縮小した赤字額(3,344億円)は、2001年度4,883億円、2002年度5,761億円と再び増加傾向になった。2003年度は4月から総報酬制、70%給付が実施され、対前年度比4,576億円の改善をみたものの、1,185億円の赤字となり、依然として赤字基調は改善されなかった。
赤字組合の割合は2002年度より低下したが、依然として60%を超える組合が赤字を計上する見込み。
賞与分を含めた一人当たり保険料収入は39万5千円で、2002年度(37万2千円)に比べて約2万3千円、6.2%の増加となっている。2002年度においては、対前年度増加額(特別保険料含む)が、わずか947円(0.3%)であったことからみると、財政の逼迫を背景に総報酬制実施に伴い、保険料負担を大きく引き上げたことがわかる。
回答組合1,442組合(前年度データがない新設組合1組合除く)のうち、84.2%の組合(1,214組合)で1人当たり保険料額が増加している。増加組合の内訳をみると、約3分の1の組合(34.8%、423組合)で5万円以上の負担増となっており、中には10万円以上引き上げざるを得ない組合も32組合(2.2%)あった。
2003年度の一般保険料率は74.34‰で、2002年度の84.27‰から9.93‰引き下げられた形となっている。しかしながら、2002年度の保険料額と同額となる総報酬レベルでの保険料率は68.23‰で、この料率からは6.11‰引き上げた結果となっている。
なお、「2003年度予算編成において、保険料率を何年固定するか」という質問に対しては、3年とする組合が43.8%と最も多く、次いで1年の26.4%、5年の12.6%、2年の12.0%等となっている。
老健拠出金は1兆7,041億円で2002年度に比べて1,618億円、8.7%減少したが、保険料収入に対する割合は29.2%と約30%を占めている。
退職者拠出金は7,075億円で前年から1,338億円、23.3%と大幅に増加し、保険料収入に対する割合も12.1%に達した。
拠出金の総計は2兆4,120億円で2002年度に比して279億円、1.1%の微減となっている。しかしながら、保険料収入に対する割合は保険料収入総枠が増加したにも係らず依然として41.2%に達しており、保険料の50%以上を拠出金に充てざるを得ない組合も回答組合中178組合(12.3%)ある。
拠出金、医療費等の支払いに充てるため、積立金などの取崩しで対応する組合は867組合(60.1%)。そのうち、別途積立金を取崩す組合は754組合、法定準備金を取崩す組合は150組合となっている(両方取崩す組合は37組合)。取崩し額は別途積立金が2,035億円、準備金が225億円。
別途積立金の保有状況をみると、1998年度に比べて約3分の2の水準にまで減少している。準備金と合わせた合計額でも取り崩し等により、約8千億円減額している。また、各組合の別途積立金の保有目的は、余裕資金ではなく、直近の財源不足や拠出金変動のリスクへの備えとして保有されている。
|