社会保険庁は、プログラムの変更誤りおよび事務処理の誤りにより老齢厚生年金等に加算される「加給年金額の過払い」と、老齢基礎年金に加算される「振替加算の未払い」が判明したため情報を公開した。
「加給年金額の過払い」については、老齢厚生年金(老齢満了)または障害厚生年金(障害等級1級または2級)の受給権者について、加給年金額の対象となる配偶者がいる場合、加給年金額を加算して年金を支給することとなるが、配偶者が老齢(老齢満了)または障害(障害等級1級または2級)を支給事由とする年金を受給している場合には、当該加給年金額が支給停止となる。
今回、2003年物価スライドによる年金額の改定処理に伴うシステムテストの作業の中で、配偶者の特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止から一部支給または全額支給に変更された事例について、本来であればこれに伴い、配偶者に係る加給年金額を支給停止すべきところであったが、その支給停止がなされずに、過払いが発生している事例があることが判明した。
加給年金額を加算されている人(2003年3月現在)は約315万人で、そのうち、加給年金額の過払対象者数は約7,200人。過払総額は約24億円となった。
年金給付システムについては、即時処理のための大規模なシステム変更が行われ、1999年6月から稼働しているが、そのシステム変更の際のプログラムミスが原因で、今年3月にプログラムを修正し、新たな過払者は発生していない。
「振替加算の未払い」については、振替加算とは、夫婦世帯で年金を受給する場合に、配偶者が65歳に達する前と後の給付水準の大幅な低下を防止するための経過措置。夫の老齢厚生年金(老齢満了)または障害厚生年金(障害等級が1級または2級)に加算されている加給年金額を、妻(大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者)が65歳に達したときに、振替えて妻の老齢基礎年金に加算するもの。ただし、妻が老齢基礎年金以外に老齢厚生年金(老齢満了)または障害厚生年金(障害等級が1級または2級)を受給している場合には加算されない。また、振替加算の額は、振替加算の対象となる配偶者の生年月日が若くなるほど低額となる。
振替加算の未払いの事例としては、後から発生した夫の老齢厚生年金(老齢満了)の裁定時に、妻の裁定原簿中「振替加算非該当」を「振替加算該当」に変更すべきところ、一部のケースで事務処理の誤りにより、変更しなかったため、妻の65歳到達時に加算の処理が行われなかった例や、後から発生した妻の老齢厚生年金の裁定時に、夫の裁定原簿に妻の基礎年金番号を収録すべきところ、一部のケースで、事務処理の誤りにより収録しなかったため、妻が65歳到達時に「振替加算該当」の表示がなされているにもかかわらず、夫の裁定原簿と突合することができず、加算の処理が行われなかった例などがある。
振替加算の未払対象者は約3万6千人で、未払総額約300億円。
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