内閣府は、高齢者介護に対する不安感等や、在宅介護、施設介護に関する意識、介護保険制度等、高齢者保健福祉施策に対する要望について調査を行った「高齢者介護に関する世論調査」の調査結果を公表した。全国20歳以上の者5,000人を対象とし、有効回収数は3,567人だった。
今世紀前半には4人に1人が65歳以上という「超高齢社会」が到来すると言われているが、このことにどの程度関心があるか聞いたところ、「関心がある」とする人の割合が85.6%(「非常に関心がある」32.3%+「ある程度関心がある」53.3%)、「関心がない」とする人の割合が14.0%(「あまり関心がない」12.2%+「まったく関心がない」1.9%)となっている。
自分自身が老後に寝たきりや痴呆になるかもしれないと、不安に思うことがあるか聞いたところ、「ある」とする人の割合が69.0%(「よくある」22.3%+「時々ある」46.6%)、「ない」とする人の割合が30.1%(「あまりない」23.5%+「まったくない」6.6%)となっている。
家族が老後に寝たきりや痴呆になるかもしれないと、不安に思うことがあるか聞いたところ、「ある」とする人の割合が73.5%(「よくある」26.5%+「時々ある」46.9%)、「ない」とする人の割合が25.3%(「あまりない」17.8%+「まったくない」7.5%)となっている。
仮に自分自身が老後に寝たきりや痴呆になり、介護が必要となった場合、どんなことに困ると思うか聞いたところ、「家族に肉体的・精神的負担をかけること」を挙げた人の割合が68.1%と最も高く、以下、「介護に要する経済的負担が大きいこと」(53.6%)、「収入がなくなること」(27.9%)、「人生の楽しみが感じられなくなること」(27.6%)などの順となっている。
仮に家族が寝たきりや痴呆になり、介護が必要となった場合、どんなことに困ると思うか聞いたところ、「食事や排泄、入浴など世話の負担が重く、十分な睡眠が取れないなど肉体的負担が大きいこと」を挙げた人の割合が62.5%と最も高く、以下、「ストレスや精神的負担が大きいこと」(57.9%)、「家を留守にできない、自由に行動できないこと」(52.5%)、「介護に要する経済的負担が大きいこと」(50.3%)などの順となっている。
自分自身が老後に寝たきりや痴呆になった場合に備えて、これから準備しようと思うことやすでに準備していることがあるか聞いたところ、「貯蓄などによる経済面での備え」を挙げた人の割合が34.3%と最も高く、以下、「介護サービスについての情報収集」(16.5%)、「民間の介護保険などへの加入」(13.5%)、「家族に介護してくれるよう頼むこと」(11.0%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた人の割合が39.5%となっている。
仮に自分自身が老後に寝たきりや痴呆になり、介護が必要となった場合に、どこで介護を受けたいと思うか聞いたところ、「可能な限り自宅で介護を受けたい」と答えた人の割合が44.7%、「特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設に入所したい」と答えた人の割合が33.3%、「介護付きの有料老人ホームや痴呆性高齢者グループホーム(痴呆の高齢者が共同生活を営む住居)などに住み替えて介護を受けたい」と答えた人の割合が9.0%となっている。
仮に自分自身が老後に寝たきりや痴呆になり、介護が必要となった場合に、自宅で介護されるとしたら、どのような形の介護をされたいか聞いたところ、「家族だけに介護されたい」と答えた人の割合が12.1%、「家族の介護を中心とし、ホームヘルパーなど外部の人も利用したい」と答えた人の割合が41.8%、「ホームヘルパーなど外部の人の介護を中心とし、あわせて家族による介護を受けたい」と答えた人の割合が31.5%、「ホームヘルパーなど外部の者だけに介護されたい」と答えた人の割合が6.8%となっている。
仮に家族が寝たきりや痴呆になり、自分が介護する立場になったら、どこで介護を受けさせたいと思うか聞いたところ、「可能な限り自宅(実家または自分の家)で介護を受けさせたい」と答えた人が57.7%、「特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設に入所させたい」と答えた人の割合が23.9%、「介護付きの有料老人ホームや痴呆性高齢者グループホーム(痴呆の高齢者が共同生活を営む住居)などに住み替えて介護を受けさせたい」と答えた人の割合が5.0%となっている。
一般論として、親が寝たきりや痴呆になった時、子が親の介護をすることについてどう思うか聞いたところ、「子供が親の介護をすることは当たり前のことだ」と答えた人の割合が48.6%、「子供だからといって、必ずしも自ら親の介護をする必要はない」と答えた人の割合が36.1%となっている。なお、「どちらとも言えない」と答えた人の割合が14.0%となっている。
2000年4月に介護保険制度が施行されたが、介護保険制度についてどの程度知っているか聞いたところ、「知っている」とする人の割合が56.1%(「よく知っている」8.0%+「ある程度知っている」48.1%)、「知らない」とする人の割合が42.9%(「ほとんど知らない」37.4%+「まったく知らない」5.6%)となっている。
介護保険の対象となる介護サービスや施設の中で聞いたことがあるものを聞いたところ、「ホームヘルプサービス(ホームヘルパーの訪問)」を挙げた人の割合が86.2%と最も高く、以下、「訪問入浴介護(入浴車の巡回)」(79.6%)、「デイサービス(施設に通って入浴や日常生活動作の訓練などを受ける)」(75.7%)、「訪問看護(看護師などの訪問)」(69.0%)などの順となっている。
介護保険制度における介護サービス以外に、介護が必要な状態になることの予防や自立した生活の支援などのために、市町村が地域の実情に応じて実施するサービスの中で聞いたことがあるものを聞いたところ、「配食サービス(一人暮らしの高齢者などに食事を配達)」を挙げた人の割合が64.9%と最も高く、以下、「移送サービス(病院や施設へ行くときの送り迎えなど)」(46.4%)、「緊急通報サービス(倒れるなどした際にボタンで緊急を知らせる)」(43.1%)、「生きがいデイサービス(家に閉じこもりがちな高齢者などが施設に通って日常生活動作の訓練や趣味活動などを行う)」(37.8%)などの順となっている。なお、「どれも知らない」と答えた人の割合が16.7%となっている。
今後、超高齢社会を迎えるにあたり、介護サービスを一層充実させていく必要があると言われているが、そのための費用負担について聞いたところ、「介護サービスを一層充実させていくためには、保険料などの負担が相当程度増加してもやむを得ない」と答えた人の割合が10.8%、「介護サービスの充実は必要であり、保険料などの負担がある程度増加することはやむを得ないが、例えば給付の範囲を見直すなど、過度に高い負担とならないようにすることも必要である」と答えた人の割合が66.4%、「保険料などの負担は現状程度とし、介護サービスを充実させるために必要な費用は、利用者の自己負担とするのがよい」と答えた人の割合が12.6%となっている。
現在の介護保険制度においては、在宅サービスでは高齢者を介護するための費用が給付されているが、特別養護老人ホームなどで受ける施設サービスでは介護費用のほか利用者が居住するための費用(光熱水費等)も給付されており、この点に関して、「施設サービスに割安感があることから、在宅サービスの利用者との負担の均衡を図るために、施設サービスにおける給付の範囲を見直すべきである」との意見があるが、どう思うか聞いたところ、「そう思う」とする人の割合が60.6%(「そう思う」23.6%+「どちらかといえばそう思う」37.0%)、「そう思わない」とする人の割合が15.0%(「どちらかといえばそう思わない」8.3%+「そう思わない」6.7%)となっている。なお、「どちらともいえない」と答えた人の割合が12.6%、「わからない」と答えた人の割合が11.8%となっている。
今後、増加が予想される介護を必要とする高齢者のために、国や自治体はどのような施策に重点を置くべきだと思うか聞いたところ、「在宅介護のための、自宅を訪問するサービスの充実(ホームヘルプサービス、訪問看護など)」を挙げた人の割合が60.5%と最も高く、以下、「特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設の整備」(49.7%)、「在宅介護のための、施設に通って受けるサービスの充実(ショートステイ、デイサービス、デイケアなど)」(49.6%)、「在宅で介護をする家族に対する支援の充実」(46.3%)、「病院や診療所などの医療機関の充実」(45.4%)などの順となっている。
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