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ロボット技術を福祉機器開発に応用

−東京都心身障害者福祉センターと早稲田大学「福祉機器の研究開発に関する協定書」を締結−

2004/01/05(Mon.)

 東京都心身障害者福祉センターと早稲田大学は、「福祉機器の研究開発に関する協定書」を締結した。研究開発内容は、「高齢者の歩行支援機器等の開発」「電動車いすの軽量化のための燃料電池等の開発」「点字、触知図の改良等」の3つ。

 研究開発期間は2004年1月1日から2008年3月31日で、早稲田大学は、21世紀COEプログラムの一環として研究開発を行い、東京都心身障害者福祉センターは、福祉機器の研究開発への助言、研究の場の提供、試作品にかかるモニター紹介および評価、開発機器のアセスメント、福祉機器の普及にかかる事業等を行う。

 21世紀COEプログラムとは、日本の大学を世界最高水準の研究拠点に育成するため、予算を重点的に配分して特色ある大学づくりを進めようという文部科学省のプロジェクト。

 「高齢者の歩行支援機器等の研究」では、ロボット技術を活用した寝たきり高齢者「零」を目指す歩行支援機器の開発を行う。

 高齢社会が進行する中にあって、高齢者が終生、心身共に健康で活躍できる状況を作り出すことは大きな課題。高齢者が寝たきりになるのは、加齢に伴う歩行能力の低下や骨折、脳血管障害の発症等が主な原因となっている。

 開発では、高齢者が寝たきりにならず、自立した生活が送れるようにするために、ロボット技術の応用による転倒しないための足運び支援、また、転倒などに起因する大腿部頚部骨折等の受傷後のリハビリテーションなどを支援する歩行支援機器、歩行訓練機器の研究開発を行う。

 「電動車いすの軽量化のための燃料電池等の開発」では、障害者・高齢者の生活と活動範囲を飛躍的に広げる電動車いす搭載用「燃料電池」の開発を行う。

 電動車いすは、重度身体障害者、高齢者の生活や活動を支える移動機器として重要なもの。しかし、現在、電動車いすに使用されている駆動源としての電池(鉛酸電池)により、連続して一定の速度や走行距離を確保するためには、それに見合った電池容量のある電池を搭載しなくてはならない。したがって、電動車いすは重くて、かつ操作がしにくい状態が生じる。

 また、電動車いす使用者が必要に応じて、走行時間や距離等を伸ばすためには現行の電池では限界があるほか、現在、電動車いすに搭載されている電池では、使用者は毎日、充電を行う必要があり、外出にあたっては、必ず、電池の残量を確認する必要がある。このため、使用者からは電動車いすが連続して、かつ安定的に走行できる駆動源(電池)の開発が切望されている。

 いっぽう、水素を燃料とする自動車用燃料電池については、現在、自動車メーカーと電気メーカーによって、低コスト化と水素供給施設等の基盤整備に向けた研究開発が活発に行われている。

 開発では、現在、自動車用駆動源として開発が進められている燃料電池の技術を基盤としながら、電動車いすに搭載可能な燃料電池の開発を行い、電動車いすの長距離走行等の実現を目指す。

 あわせて、電動車いす使用者の体幹の変形や循環器、呼吸器の機能低下などの二次障害を予防するため、路面状況等が変化しても、使用者の姿勢を一定に保持できる姿勢保持装置の改良研究やジョイステックに代表される電動車いすの操作装置を高齢者などにも操作しやすい装置への改良などの研究も行う。

 「3点字、触知図の改良等」では、視覚障害者が読みやすい点字製品の規格化と製作技術の開発を行う。

 点字は、視覚障害者の重要な情報源の一つ。しかし、現在の紫外線硬化樹脂(UV樹脂)を使用した点字製品には、品質のばらつきがあるため、識別困難な点字等もあり、改良が望まれている。

 開発では、点字製品の規格化を含め、UV樹脂を使用した点字、触知図の製作技術の開発を行う。

 また、点字の習得にあたっては、これに適する人と習得困難な人がいることが指摘されている。点字による情報収集の利点は大きいが、点字以外で情報を収集した人が効果的な人については、早期に点字以外の方法による情報収集を勧めていく必要がある。

 開発では、効果的な点字習得を図るため、点字習得の効果が期待できるか否かを事前に把握するとともに、個々人の触知能力を客観的に評価できる機器の開発を行う。


東京都心身障害者福祉センター概要
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