リオン株式会社は、オーダーメイド補聴器の主要部品であるシェルの生産方法に関して独自のCAD/CAM化による生産技術を確立し、春より生産開始することを決定した。
同社は、リオネット補聴器は三次元CAD/CAM化の推進で、常に製造業における時代の先取りを目指してきており、1989年に補聴器設計の三次元化を開始し、当時の国内製造業における製品設計の三次元化としては先駆的な存在だった。その後、1995年は三次元CAMを導入し、一般補聴器の製品設計から金型制作までを三次元CAD/CAM化した。
いっぽう、オーダーメイド補聴器は1990年代にその生産数が大幅に拡大し、2000年代には完全に主力製品になった。しかし、生産数は多くなってもその生産手段はオーダーメイド形状ゆえに手作り工程が多く、効率や品質安定性向上のためにコンピュータ支援による自動生産化が大きな課題となった。このため1999年にオーダーメイド補聴器のシェル自動生産化の社内研究プロジェクトを発足させ、翌年から2年間はテクノエイド協会の福祉用具研究開発助成を受けて研究は加速。研究はリオンで所有の特許(4件)を基盤に進められた。
開発された新システム「リオネット夢耳(ゆめじ)工房」は、耳型原型をカットすることなく全体を忠実に高速に計測するリオン独自のスキャニングアルゴリズム(RION
Complete High Fidelity Scanning Algorithm.)により、採取された耳型をレーザー走査して三次元データを自動生成する。また、日本人の外耳道の形状特徴に対応して最適化するリオン独自のトリミングアルゴリズム(RION
Japanese Optimized Shell Trimming Algorithm.)により、耳型データと補聴器ユニットデータを組合わせて個々人の外耳道に最適なレイアウト設計とシェルの形状定義を行う。さらに、最適化設計されたシェルの形状データにより製品用シェルを光造形装置で自動生産する主要プロセスにより構成される。
「リオネット夢耳工房」による利点は、高精度三次元測定により、外耳道形状の忠実再生と安定した精度が実現し、個々人の耳への適合度が向上する。次に個々人の耳型形状データを用いた三次元CADレイアウト機能が実現することで製品形状の最適化と小型化が図れる。そして耳型形状の電子保存(データベース化)が実現することで、再購入時(買換、予備、紛失)の耳型再採取が不要とともに、同一形状の再現が図れるというもの。
これらの利点を持つ、「リオネット夢耳工房」は人体形状の一部を三次元測定してラピッドプロトタイピングにより造形してオーダーメイドの製品をCAD/CAM生産する極めて先進的なシステムとなった。モニターテストを経て、春より稼動し製品の発売を開始する予定。生産能力は一日150台。同社では、今後随時増設していく方針としている。
「リオネット夢耳工房」




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