東洋インキ製造株式会社と豊橋技術科学大学情報工学系中内茂樹助教授は、共同で、色覚障害者が識別しやすくなるようにカラーデザインを自動修正する技術を開発した。
顔料・印刷インキ・着色材料などを中心に色彩に関して幅広く事業活動を行っている東洋インキ製造は、従来の印刷分野を包括する情報価値創造産業における情報伝達手段の一つとして「色彩コミュニケーション」への取り組みを積極的に行っている。
今回、この分野における新たな取り組みとして、「色彩コミュニケーションのバリアフリー化」について、豊橋技術科学大学情報工学系中内茂樹助教授らと共同で研究開発を進めてきた。
検証実験の結果、従来、色覚障害者にとって識別が困難な配色で構成されていたカラーデザインを、容易に識別可能な配色に高速かつ自動的に変換できることを確認した。
東洋インキ製造では、この技術により「色彩コミュニケーションのバリアフリー化」を実現し、「ユニバーサルデザイン」や「色彩コミュニケーション」の分野に対応していく。
今後はさらに検証を重ねながら、2004年度より、企業・公共団体への技術ライセンスおよび商品開発を進める。また、技術ライセンスにおいて初年度5千万円の売上を目指す方針。
中内助教授らにより開発されたこの技術は、デザインや公共標識などに含まれている、色覚障害者にとって識別しにくい配色を自動的に検出し、今回の開発の中核である色修正アルゴリズムにしたがって色修正を行うもの。
これにより、色覚障害者にも識別できるように、カラーデザインの配色を変換することができる。同時に、できるだけ元のカラーバランスを損なわずに、しかも自動的に色の修正を実行するなどの特徴を有している。
中内助教授らにより、色覚障害者を対象とした複数の検証実験が行われた結果、色覚障害者が健常者と同程度に識別可能な色修正処理が行えることが確認された。
先天性色覚障害は決して特殊な機能障害ではなく、全男性の約5%が何らかの色覚障害を持っていると言われており、その内もっとも頻度が高いのが第二色覚異常。これは緑色を感じる機能が弱く、赤色と緑色の識別が困難になるというもの。
赤・黄・緑で塗り分けられた図版で、色覚異常における色識別の状態、および今回開発された色修正技術を適用することによる色識別の向上についての例をみると、第二色覚異常の人が図Aを見た場合は、図中の赤色領域と緑色領域を見分けることができず、図Bのように合わせて一つの領域だと誤認してしまう。
図A(原図)

図B(第二色覚異常における図A)

今回開発した色修正技術を図Aに適用することによって、図Aの緑色領域は、図Cのような青色へと色修正される。この色修正された図Cを第二色覚異常の人が見た場合、青色領域と赤色領域の識別は正常に行われるので、各領域を見分けることができる。
図C(色修正された図A)

図D(第二色覚異常における図C)

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