株式会社ファンケルは、2001年4月よりファンケル発芽玄米「発芽米」を販売しており、発芽玄米の持つ有効性を科学的に明らかにする研究を続けている。今回、名城大学薬学部鵜飼良教授らとの共同研究によって、継続的に発芽玄米を摂取するとアルツハイマー型痴呆症になりにくくなるとの研究結果を得た。この結果は、2004年7月1日に発行される日本薬学会の専門雑誌Biological
& Pharmaceutical Bulletinに掲載される。
発芽玄米とは、玄米を水に浸してほんの少し発芽させたもの。玄米に比べやわらかく甘みがあり、炊飯器で手軽に炊けるとともに発芽によって眠っていた酵素が活性化し、新芽の成長に必要な栄養素が増えるという特徴を持つ食品。
脳機能を正常に維持する神経伝達物質の?‐アミノ酪酸(GABA)や、脳の老化を防ぐ抗酸化成分などを豊富に含んでいることが知られており、研究では、s-アミロイド蛋白によって学習記憶障害を誘発したアルツハイマー型痴呆モデル動物を対象とし、s-アミロイド蛋白処置前に2週間継続的に発芽玄米を摂取させ、アルツハイマー型痴呆に対する発芽玄米の予防効果を評価した。
研究では、飼料としてそれぞれ、標準飼料摂取群(標準)、白米摂取群(白米)、発芽玄米摂取群(発芽玄米)を用意した。3群にはそれぞれの飼料を32日間摂取した。15〜21日目には、各群の通常状態における空間認知能力を評価するため、水迷路試験を実施した。22日目には側脳室にs-アミロイド蛋白を投与し、アルツハイマー型痴呆を発症した。29日目には再度、水迷路試験を実施し、s-アミロイド蛋白による記憶の保持能力に対する影響を評価した。30日目にはY字型迷路試験で短期記憶を評価した。
結果、通常状態で実施した水迷路試験では標準飼料摂取群に比べて、白米、発芽玄米摂取群のゴールへの到達時間(逃避潜時)が短縮し、空間認知力や学習記憶力が高いことが分かった。s-アミロイド蛋白を側脳室内投与後に再度実施した水迷路試験では3群間に有意な差は認められず、記憶の保持能力に対しては影響しなかった。いっぽう、s-アミロイド蛋白の脳内投与後に実施したY字型迷路試験では、標準飼料摂取、白米摂取群ともs-アミロイド蛋白によって短期記憶が低下するのに対し、発芽玄米摂取群ではその低下が抑制され、記憶障害が起きにくくなってた。
従来、発芽玄米中に豊富に含まれる栄養成分がアルツハイマー型痴呆症に有効であると期待されていたが、研究によって初めて、白米、発芽玄米の継続摂取は空間認知能力が高め、さらに発芽玄米摂取群においては、アルツハイマー型痴呆の原因物質とされているs-アミロイド蛋白による学習記憶障害(脳機能の低下)を抑制する可能性があることを明らかにした。このことは発芽玄米がアルツハイマー型痴呆症の予防に有効であることを強く示唆するものとなる。
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