ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニーは、高齢者の痴呆や歩行障害をともなう疾患「特発性正常圧水頭症(iNPH:Idiopathic
Normal Pressure Hydrocephalus)」の認知度に関する実態調査を実施した。調査は、株式会社NTTデータの「Healthクリック」会員745名に対し2004年3月15日〜4月11日に行ったもの。
iNPHという疾患を「以前から知っていた」人は13.3%(99人)、残りの86.0%(641人)は「知らない」と回答しており、手術で治る疾患にもかかわらず認知度が低いため、症状が似ているそのほかの疾患(痴呆など)と誤解し、「治らない」とあきらめている患者がいる可能性もある。
将来の痴呆に対する不安についての質問では、不安が「すごくある」15.3%(114人)、「ある」51.7%(385人)、と全体で67%の人が漠然と不安を感じており、40歳以上に限ると69.2%(354人)と、約70%が将来の痴呆に不安を感じている。また、痴呆は自分だけでなく、家族の問題として不安を抱いている人が多く、正しい知識を求めていることが自由解答欄に寄せられたコメントから推察される。
「家族の問題として不安を感じている」人の自由解答欄の代表例としては、「他人事ではないと思っている。自分だけでなく、家族や知人に起こりうること」「自分ではなく身内の問題として漠然と思うことはある」「介護の肉体的、精神的、経済的に負担が大きく大変だと思う」などがあった。
痴呆外来を訪れる60歳以上の患者の2〜5%はiNPHであるといわれており、iNPHと適切に診断、治療されることで、本人のみならず、家族の介護負担の軽減にもつながる。
調査結果の傾向として、医療に関する正しい知識を求めていることがわかり、具体的な意見としては、「正しい知識が必要だと思う」「痴呆になった時にどう対処したらよいのか、まずネットで調べると思う」「痴呆の予防法などもっと情報が欲しい」「日頃から関心を持ちたい」などがあった。
詳しい情報を得たいと思った場合、どのように情報収集をするかの問いには、複数回答(1,420人)中、「医療健康サイトで調べる」(337人、23.7%)、「病気を扱う専門サイトで調べる」(305人、21.5%)、「情報検索サイトで片っ端からチェックする」(263人、18.5%)と、ウェブでの情報収集が全体の60%を超えた。また、「専門書や雑誌を探す」(234人、16.5%)、「病院にいって医師や看護師に聞く」(214人、15.1%)と、まず自分で調べる人が圧倒的に多く、特に身近となったウェブサイトから情報収集する人が多いことが判明した。
今回の調査結果に関して、日本正常圧水頭症研究会iNPH診療ガイドライン作成委員長、北野病院脳神経外科部長石川正恒先生は、「iNPHは歩行障害や痴呆症状、尿失禁といった症状があらわれますが、今回の調査結果は、一般の方々がこのような疾患の存在を知るきっかけが残念ながら少ないことを物語っています。診断や治療法も進歩してきており、改善率も高くなってきています。歩行障害や痴呆、尿失禁といった.症状に気が付いたら、年のせいだとあきらめずに早めに専門医にみてもらうことが大切です」とコメントしている。
高齢者の痴呆や歩行障害をともなう疾患は患者本人や介護をする家族ばかりでなく多くの人にとって大変身近な問題となっている。高齢者の疾患については「年のせいだから」とか「病院に行ってもどうせ治らないし」などと考えて、治療をあきらめてしまいがち。同社では、「特発性正常圧水頭症ウェブサイトや様々な啓発活動を通して、一般の方々に治療で改善しうる疾患を認識していただき、一人でも多くの方の症状が改善し、本人の自立が高まることを期待します。さらには、介護の負担も軽減され、患者さんおよびご家族のQOL(クォリティ・オブ・ライフ:生活の質)の向上が可能になると考えます」とコメントしている。
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