日本IBMは、視覚障害を持つ人が音声ブラウザーを使ってホームページを利用した時の聴こえ方や、高齢者や弱視・色覚異常を持つ人がホームページを見たときの見え方等を容易に確認できるWebアクセシビリティのチェック・ツール「aDesigner」(エーデザイナー)を開発し、無償ダウンロードでの提供を開始した。
インターネットの急速な浸透に伴い、さまざまな情報やサービスがWebを通じて提供されるようになる中で、高齢者や障害者等がWebを活用するためのWebアクセシビリティに対するニーズが世界的に高まっている。日本でも経済産業省が6月20日に、日本工業規格「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェアおよびサービス-第三部:ウェブコンテンツ」を制定するなど、企業におけるWebアクセシビリティ対応は急務になっている。
IBMでは、1960年代からアクセシビリティ技術の研究開発に取り組み、1997年にホームページの内容を読み上げる音声ブラウザーソフト「ホームページ・リーダー」を発表し、視覚障害者がWebを容易に利用できるよう支援してきた。しかし、音声ブラウザーで読み上げるためには、インターネット技術の標準化を進める国際機関WWWコンソーシアム(W3C)が定めた指針等に基づいてコンテンツを作成する必要がある。また、指針に適合したWebページでも、必要な情報に到達するのに長時間掛かってしまうなど、使い勝手(ユーザビリティ)に問題がある場合がある。
aDesignerは、指針への適合をチェックするだけではなく、音声ブラウザーがどのように読み上げるかを視覚化し、自動的に修正点を表示して、アクセシビリティやユーザビリティを評価するソフトウェア。Webデザイナーが実際に音声ブラウザーでの読み上げ方をチェックするのは大変困難だが、aDesignerを利用すると、問題のある箇所を視覚化して表示するため、容易に確認することができる。
また、視力の弱い人や、日本人男性の5%にあたるといわれる色覚異常の人、白内障の人の見え方もシミュレートし、これらのユーザーにとって見えにくい箇所を自動検出することも可能。
例えば、音声ブラウザーの読み上げ方を視覚化する画面では、ページ内のさまざまな情報を読み上げて到達するまでの時間が「色」を使って表現される。読み上げに時間が掛かる箇所ほど背景色が暗く表示されるため、ユーザビリティへの配慮がなされていないサイトの場合、ページの大半が黒く表示されるので一目瞭然。
また、色覚異常を持つ人や白内障の人の色の見え方や、視力に応じた視野のぼやけ方もシミュレートできるため、適切な色やフォント、図が使用されているかをひと目で確認できる。さらに、アクセシビリティ指針への適合性に加えて、聞きやすさ(Listenability)や移動のしやすさ(Navigability)といった独自の基準も含めたページ全体の評価機能もあり、A、B、Cの3段階で評価を確認することができる。
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