株式会社昭文社は、「バリア・バリアフリーマップシステム」の販売を開始した。新商品は、高齢者や障害者を含むあらゆる歩行者の移動を支援するめに、目的地までのルート案内や施設案内を行なうシステム商品で、地域のバリア・バリアフリー情報をデータ化し、歩行者の身体状況に応じ、目的地までの経路検索ができる機能を保有したもの。
「電動車いすを利用」「杖を利用」「ベビーカーを利用」「全盲」「人ごみをさける」など、歩行者に応じた条件を設定、出発地と目的地を指定すれば、それぞれの身体状況に応じた最適・安全なルートを表示する。「段差」「歩道の車道への傾斜」など、障害者による調査を反映した詳細な調査項目を元に、現地を実際に調査してデータ化し、地図上に表現するシステムとした。
現在、多くの自治体のホームページ上にて、障害者が利用できる施設情報を公開しているが、同システムを利用すれば、施設情報だけでなく目的地までのルート検索を案内する仕組みを構築することができる。このような自治体向けに特化した歩行者支援を行なうためのシステム商品は全国初となる。
同社は、今年1月に独立行政法人情報通信研究機構(旧:独立行政法人通信総合研究所)と歩行者空間情報取得と提供技術に関する共同研究契約を締結し、バリア・バリアフリー情報の調査や入力支援技術などを研究してきた。同システムは、その研究成果として商品化を行なったもの。今後も同研究機構との研究を継続して行い、システムの操作性の向上や調査・入力作業の効率化の研究を行なっていく予定。
同システムを各地方自治体へ販売する他、バリア・バリアフリー情報の調査業務・調査ノウハウの提供・データ化業務など、調査からサイト公開まで総合的なサポートを行い、各地方自治体の福祉行政への支援を行なっていく。また、各地方自治体が調査やデータ化業務において障害者を雇用することにより、障害者雇用という社会貢献にもつながるものとする考え。
同システムは道路上のバリア・バリアフリー情報を地図上に簡易に入力する「データ入力システム」と、その情報をインターネット上で公開するための「データ閲覧システム」で構成されている。
データ入力システムは、「データ閲覧システム」に取り込み可能なデータを作成するためのシステム。「段差」「傾斜の角度」「歩道幅」など障害者の声を反映した詳しい調査項目を元に、現地を調査。この結果を専用フォームに入力し、データ化すると、地図と連動するシステムで、手間のかかる現地調査図の作成から調査結果の反映までを効率的に行なえる。
データ閲覧システムは、歩行者(ホームページ利用者)が身体状況や行動条件を設定し、最適な移動ルートを検索することができるシステム。主な機能としては、「利用者の状況設定可能とし、自分の行動条件にあったルートの検索機能」「地図データに搭載された目標物・施設間の検索または地図上の2点指示によるルート検索機能」「指定した施設とその近隣の地図表示機能」「表示範囲内に存在するバリア位置の表示機能」などがある。
データ入力システム

データ閲覧システム

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