厚生労働省は、「2003年度国民健康保険(市町村)の財政状況について」の速報を公表した。一般被保険者分、退職被保険者等分、介護保険分とを合わせた収支状況については、収入合計は10兆4,638億円、支出合計は10兆3,186億円で、収支差引額は1,451億円となっている。
収入支出から基金繰入(取崩)金、(前年度からの)繰越金、基金積立金と前年度繰上充用(欠損補填)金等を除いた単年度収支差引額は、1,074億円の赤字で、精算後単年度収支差引額(国庫支出金精算額等を考慮した単年度収支差引額)は、1,482億円の赤字となっている。さらに、一般会計繰入金のうち赤字補填を目的とするものを収入から除くと3,865億円の赤字となる。また、基金積立金等(2003年度末の基金保有額と次年度への繰越金から当該年度の赤字額等を除いたもの)は、5,663億円となっている。
一般被保険者分の収支状況については、収入合計は7兆7,909億円、支出合計は7兆6,531億円で、収支差引額は1,378億円となっている。単年度収支差引額は1,009億円の赤字、精算後単年度収支差引額は1,205億円の赤字となっている。
前年度とは対象期間が異なることから、2002年度の実績額との比較はできないが、2002年度の財政収支に2002年3月分の保険給付費等を加算し12月分とした財政収支を参考として試算したところ、収入については、対前年度6.3%(6,206億円)の増で、このうち、都道府県支出金は対前年度74.8%(717億円)、共同事業交付金は72.8%(813億円)の増となっている。また、保険料(税)収入については対前年度1.0%(343億円)の増加にとどまっている。
いっぽう、支出については、対前年度5.3%(5,202億円)の増で、このうち、保険給付費は対前年度8.9%(5,162億円)、共同事業拠出金は265.6%(1,191億円)の増となっているが、老人保健拠出金については、対前年度5.2%(1,592億円)減少している。
保険料の収納状況は、収納率は全国平均で90.21%で対前年度0.18%低下した。景気は、緩やかな回復基調にあると言われてはいるが市町村国保を取り巻く環境は厳しい中で、保険料収納率の低下傾向は続いている。いっぽうで、市部の収納率では中核都市等の保険者において上昇に転じるところもあり、収納率の改善の動きがみられている。
同省では、「今後とも少子高齢化の進展や就業構造の変化、高齢者や低所得者の増加など市町村国保を取り巻く状況は依然として厳しいことが見込まれるが、保険料の賦課徴収やレセプト点検の充実等、保険者としての一層の経営努力が必要。加えて、生活習慣病による医療費の増加が懸念される中で、被保険者の健康づくりなど、保健事業の充実・強化に取り組んでいくことが求められる」とコメントしている。
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