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「幼保一元化」待機児童数削減対策としては46%の人が効果を期待
−野村総合研究所、「少子化対策と幼保一元化」に関するアンケート調査結果を発表−
2005/02/28(Mon.)
株式会社野村総合研究所は、「少子化対策と幼保一元化」に関するインターネットアンケート調査を2005年1月14日〜15日に実施した。その結果、「幼保一元化」の施行について「知らない」と回答した人が68.2%に上るものの、保育所の待機児童数の削減に対しては、「幼保一元化」の取り組みは効果があると考える人が46.0%いることがわかった。
急速に少子化が進行するなか、政府は幼稚園と保育所の機能を一体化した「総合施設」をつくる「幼保一元化」施策として2005年度から全国30ヵ所でモデル事業を開始し、2006年度から全国での導入を目指している。「幼保一元化」の主な目的として、保育所の待機児童数削減と幼稚園の定員割れ対策、幼児教育の一貫性の確保、子育て支援体制の強化などがあげられている。今回の調査では、「幼保一元化」の取り組みが、生活者からどのようなとらえ方をされているかについて、調査した。
未就学児の子育ての問題として、「育児にお金がかかる」と考える人が全体の70%以上になり、次いで「子どもを預ける施設が不足している」(63.1%)となっており、子育てに関わる問題としては、経済的な問題や制度・施設の不足が精神的な問題よりも大きいと考えている人が多数であることがわかった。また、「就職を希望していても働いていないと子どもを保育所に預けることが難しく思うように就職ができない」を問題視している人も多く(56.4%)、育児と仕事の両立を目指す上で見過ごすことのできない事項として留意する必要があると考えられる。
「幼保一元化」の取り組みについての認知度は現時点では低く、68.2%の人が「知らない」と回答している。いっぽうで、国が幼保一元化施行の目的の一つとする“保育所の待機児童数削減と幼稚園の定員割れ対策”については「実態にあっている」と回答した人が52.4%と半数を超え、取り組みの効果についても、46.0%の人が「効果がある」と回答している。また、“既婚者”や“保育所に子供を預けている(預けたい)”という人のほうが、「効果がある」と回答する比率が高く、待機児童数削減問題をより身近に感じている人が「幼保一元化」に期待しているといえる。
働きながら育児をする環境が今よりも整った場合、子どもを生みたいと思う女性が増えるかという質問に、「増える」が35.9%に対し、「変わらない」は47.3%と高く、「減る」の2.6%も合計すると、ほぼ半数の人が「幼保一元化」の施行は、子どもを生みたいという強い動機付けに至らないという結果になっている。また、「変わらない」、「減る」理由としては、そもそも「子どもを生まない人が増えているため」という理由が63.2%もっとも高い結果となった。
出産適齢期の既婚女性が回答した「理想の子どもの数」では、「2人」が44.3%、「3人」が32.9%、と回答しており、合わせて77.2%もの女性が2人以上の子供が欲しいと回答している。いっぽうで、子どもを生まない人が増える要因として「晩婚化による出産適齢期女性の減少」(59.4%)や「経済的な理由により子どもがもてない」(57.3%)などの問題点があげられており、少子化に対する総合的な取り組みが必要といえる。
幼保一元化後の「総合施設」では、3〜5歳児は一日4時間程度の「幼児教育」を行うことなどが考えられており、「幼児教育の一貫性」の確保が目的としてあげられている。このような取り組みによって今後の「幼児教育」のレベルが向上するかどうかに関しては、「レベルの向上に役立つとは思えない」(41.2%)「全体のレベルを下げてしまう恐れがある」(8.0%)が合わせて49.2%と全体の約半数に達し、「レベルの向上の実現ができる」の29.5%を上回る結果となった。特に、“幼稚園に子供を預けている(預けたい”と)考えている人のほうが、よりその傾向が強い結果となっており、教育機関としての「幼稚園」への期待が依然として強いと言える。
「幼保一元化」の取り組みの中には、施設の整備や人件費などハード、ソフトの両面での投資が必要なものがあり、その財源に関しても検討が必要と考えられる。今回の調査では、「幼保一元化」の取り組みに関して、「国民に新たな負担をかけてでも行うべき」と回答した人は15.7%にとどまった。いっぽうで、52.8%の人が「新たな負担がかからない範囲で行うべき」と答え、「負担がかかるなら行うべきでない」の17.0%と合わせると、69.8%の人が施行に伴う新たな負担増を望んでいないことが明らかになった。
同調査結果から、「幼保一元化」施策に対する認知度は低いものの、「待機児童数削減」という目的に関しては効果があると考える人が多いことが分かった。しかし、「幼児教育」の一貫性確保や「子育て支援」などの他の目的に関しては効果があると考える人は少数派にとどまっており、まずは施行目的や施策の仕組みを国民により一層知らしめる必要性と、子育て世代の要望に合わせた柔軟な運用と、経済面での支援・優遇制度なども含めた子育て支援のための総合的な取り組みが望まれていることが分かった。
株式会社野村総合研究所概要
WEBSITE:
野村総合研究所(NRI)
所在地:東京都千代田区大手町2-2-1新大手町ビル
TEL:03-5255-1800
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