大阪産業創造館が運営する大阪市のロボット産業振興拠点「ロボットラボラトリー」が開発支援を行っている次世代ロボット実用化プロジェクトのひとつである「リハビリテーション実習用下肢ロボット」の試作モデルが完成し、大阪リハビリテーション専門学校の協力を得て、エンドユーザーとなる同校の理学療法士を目指している学生を対象に、実証実験を実施する。
理学療法士を目指す学生が、実際に障害を持つ患者に対して実習できる機会は学校内では極めて少なく、学生が互いに患者役となって、実習を行っているのが実情。そこで、大阪大学と4社の中小企業で構成するコンソーシアムが、大阪市からの補助金1000万円を活用し、人間の代わりに医学的リハビリテーションの理学療法の練習台となるロボットを開発している。
ロボットは、人間の下肢をモデルとしており、股関節と膝関節をモータで駆動し、下腿部には力覚センサを内蔵している。また、下肢全体が人体を模した柔軟な樹脂で覆われている。センサやモータはパソコンと接続されており、コンピュータの制御プログラムを切り換えることにより、脳卒中、パーキンソン病などの典型的な症状を再現しながら、パソコン画面上で理学療法がもたらす患部への力の方向や大きさを読み取ることができる。
ロボットが学内実習で活用されることで、学生は様々な症状の患者に対する治療を疑似体験でき、その上で実際の患者に接することができる臨床実習を経験し、これを通じて典型的な障害に関する知識にとどまらない理解と考察力を持った理学療法士を、医療介護現場に送り出すことが可能となる。
現在、同プロジェクトではこのロボットを使った教育訓練用のシステムを特許出願しており、今後は、実証実験に参加する指導教官や学生の意見をもとにさらなる技術改良を加えると同時に、こういった実証実験をさらに繰り返しながら市場に受け入れられる実勢価格での製品化の実現を目指す。
ロボットラボラトリーと大阪市では次世代ロボットの活用分野として大きな期待が寄せられる「健康・予防医療、医療・福祉」分野で利用されるロボットテクノロジー(RT)の研究開発支援を行ってきたが、今後もエンドユーザーを対象とする実証実験の場を作ることで各プロジェクトの事業化、市場参入を支援していく方針。
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