内閣府は、2004年度市民活動モデル調査の一つとして、群馬県大泉町の「外国籍住民と協働したまちづくりを推進するための調査と施策の検討」を実施した。
大泉町の総人口の15%以上を占める外国籍住民。定住化が進む彼らが、地域づくり・まちづくりに対し、どのような意識を持っているかなどを調査するとともに、協働のまちづくりの担い手として取り込み、「共生・協働のまち」を築くための施策やネットワーク、体制を構築することを目的とし、調査・検討した。
外国籍住民の約90%を占める南米系の外国人を対象に、ポルトガル語とスペイン語のアンケート用紙を作成し調査を実施。外国人や学生を主体とした69人のボランティア調査員が、調査に協力した。
「あなたはこれまでに、どんなボランティアをしたことがありますか?」という設問に対し、60%以上の人が「ボランティアをしたことがない」と答えていた。一方で「これから、大泉町で何かボランティアをしたいと思いますか?」の設問には、「時間に余裕があれば、やってみたい」と答えた人が最も多く、「してみたい」「情報があれば…」「人から誘われれば…」と答えた人を含めると、おおむね60%以上の人がボランティア意識があった。
「大泉町のまちづくりに対し、どんなものにボランティアとして参加したいですか?」という設問に対し、「日本人に、母国の文化・言語を教えるもの」という回答もあり、日本人との相互理解を望む意識が垣間見えた。
調査から見る今後の方策として、大泉町に住む外国人の実態を把握するとともに、彼らに町で暮らすルールやモラルなどを教え、また、各種相談などをも総合的に受け付けることができるような窓口の設置と、国籍や世代を超えたさまざまな事業を展開していくための拠点施設の整備が重要とした。アンケートでも、「気軽に集まれる場がほしい」「日本の文化や生活に関する説明をしてくれる場所があったら」という声も多数あり、多文化共生のための拠点を整備する中で、各自の特技などを生かした「協働のまちづくり」「住んでいる人の顔が見えるまちづくり」の推進を図っていく。
ボランティア活動の意味を理解していない外国人が多いいっぽうで、今後のボランティア活動に対する意欲は、予想以上に高いという結果が得られた。「時間に余裕があったら」「人に誘われたら」「情報があったら」という条件付きでの回答を含めると、「これから、ボランティアをしてみたい」と考えている人は、全体の60%を超えていたことから、今後は、外国人に対してボランティアの意味や意義などをPRしていくとともに、イベントや事業において“企画”や“運営”の段階から参加できるよう、外国人・日本人双方に投げかけていくことが必要とした。
長年、大泉町で発行してきたポルトガル語版の広報紙「ガラッパ」や、民間の外国語新聞なども、外国人が利用しているメディアの上位に当たるいっぽうで、母国番組からさまざまな情報を得ているという結果も得られた。また、今回のアンケート調査においても、ボランティア調査員から「文字の読み書きが苦手な外国人も多い」という意見が出された。今後、外国人に対して町のイベントや事業、行政情報を伝えるためには、映像や音声などを利用した情報伝達を取り入れることも重要とした。
日本の習慣や暮らしのルールを理解している外国人もいるいっぽうで、「自治会に加入していない(区費を払っていない)」人が20%強、また「救急車や警察を呼ぶときの電話番号を知らない」人がそれぞれ約30%いるという現実に加え、地域の中心的な存在である「区長」について「区長さんを知っている」と答えた人が20%強に留まった。今後は、日本人との間に立つミディエーター(仲介者)やコーディネーターとなる人材を発掘、または育成していくことが重要とした。
|