社団法人日本自動車工業会は、2004年度の福祉車両販売実績を発表した。バス、軽四輪車、小型車全体で41,609台、前年度比2.9%の減少となった。
ここ数年来、高齢者向け需要の増加やバリアフリー法の施行、移送サービスの充実等により、福祉車両はノンステップバスや小型車・軽自動車における昇降シート車・車いす移動車を中心に販売を伸ばしてきたが、販売実績が減少したのは統計を取り始めた1992年度以降初めて。中長期的にはユーザーの関心も一段と高まっていることなどから、今後とも堅調に需要が増加するものと思われる。
車種別販売状況をみると、バスは4,616台、前年度比12.3%減となった。一昨年の自動車NOX・PM法や首都圏条例の影響による規制適合車への代替需要により、2003年度に販売が大幅に伸びた反動で2004年度は減少となり、2002年度と同等の実績となった。
軽四輪車は9,491台、前年度比3.0%減となった。低価格で小回りの良さが受け入れられ、車いす移動車を中心に移送サービスなどの伸びに応えてきたが、昇降と回転シート車の販売が減少したことや、モデルチェンジ等に伴う生産車両切り替えによる受注休止期間が延びた影響により、2003年度を若干下回る実績となった。
小型車は27,502台、前年度比1.1%減となった。2004年度は、昇降シート車や車いす移動車は堅調に販売が増加したものの、回転シート車が大きく減少、また、モデルチェンジ等に伴う生産車両切り替えによる受注休止期間が延びた影響や、2003年度の販売実績レベルが高かったこともあり、全体としては僅かではあるが減少となった。回転シート車減少の背景には、福祉車両以外でも乗り降りのしやすさに配慮した車種が発売されたことや、乗り降りを補助する機能が充実してきたことによって、利用者の選択肢が広がったことも影響していると考えられる。
2004年度福祉車両の市場動向

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