内閣府は、「平成17年版 障害者白書」を公表した。白書によると、障害者数は、身体障害者351.6万人(人口千人当たり28人)、知的障害者45.9万人(同4人)、精神障害者258.4万人(同21人)で、およそ国民の5%が何らかの障害を有している。
65歳以上の人の割合は、身体障害者(60.2%)では総人口における高齢化率の3倍以上と高いが、知的障害者(2.8%)は極めて低く、精神障害者(27.2%)は若干高い程度。
身体障害の中では、視覚障害と聴覚・言語障害はほぼ横ばいで、肢体不自由と内部障害が増加している。精神障害の中では、統合失調症関係は横ばいで、うつ病関係が増加している。
身体障害の発生は、40歳代以降の発生が60%近くを占めている。障害の原因別では疾病、事故の割合が高い。在宅の精神障害者の精神科初診時の年齢は20歳未満が40%近くを占めており、中でも統合失調症は20歳未満が60%近くを占めている。
身体障害者の障害程度別では、1・2級の重度障害者が40%以上を占めており、近年は1・2級の重度障害者数が増加傾向にある。
身体障害者の80%以上は、本人または家族の持家に住んでおり、借家等の割合は少ない。知的障害者や精神障害者の中には、支援付きの住まいであるグループホーム等に住んでいる人もいる。
身体障害者では、一人暮らしの割合は10%弱で、配偶者有りが60%程度を占めている。知的障害者では、一人暮らしはほとんどないが、配偶者有りもほとんどなく、大半は親や兄弟姉妹と暮らしている。精神障害者では、一人暮らしは20%弱で、配偶者のある人は3分の1程度。
在宅の就学前の身体障害児と知的障害児の活動の場としては、幼稚園や保育所のような地域にある身近な施設のほか、通園施設、障害児通園事業、養護学校幼稚部といった障害児のための施設等も利用されており、自宅にいる人は40%程度となっている。
身体障害児については、病院・診療所、児童相談所、福祉事務所、保健所、教育機関等、多様な機関が利用されている。知的障害児についても、会社の人・学校の先生、医師、専門機関の職員、障害者の団体等、多様な機関が相談先として利用されている。
障害児の子育てについては、地域の多様な機関が利用されており、乳幼児期から保健、医療、福祉、教育等の関係機関が一体となって障害のある子どもやその保護者に対する支援を行うネットワークが必要となっている。
盲・聾・養護学校、小・中学校の特殊学級、通級による指導により教育が行われている幼児児童生徒のうち、義務教育段階では17万9千人(全学齢児童生徒数の約1.6%)となっている。
小・中学校の通常の学級に在籍する児童生徒の中にも、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能自閉症により学習や行動の面で特別な教育的支援を必要とする可能性のある人が約6%程度の割合で在籍している。
盲学校では進学と社会福祉施設・医療機関入所・利用、聾学校では進学と就職、養護学校では社会福祉施設・医療機関入所・利用が主な進路となっている。
身体障害者の就業率は、一般の就業率と比べて全体的に低い分布となっているが、知的障害者では40歳代後半からは急速に就業率が低下している。これらの就業形態の中には、身体障害者では5.0%、知的障害者では53.8%の授産施設等・作業所等が含まれている。
視覚障害では、あんま・マッサージ・はり・きゅう、聴覚・言語障害では生産工程・労務の割合が高い。内部障害では、専門的・技術的職業や管理的職業の割合が高い。知的障害者では、製造加工業の割合が高い。
従業員5人以上の規模の事業所に雇用されている障害者は、身体障害者36.9万人、知的障害者11.4万人、精神障害者1.3万人となっている。
事業所で雇用されている障害者の賃金の平均月額は、身体障害者25.0万円、知的障害者12.0万円、精神障害者15.1万円となっている。福祉工場の賃金は事業所雇用の平均より低く、通所授産施設の工賃の平均月額は身体障害者2.2万円、知的障害者1.2万円、精神障害者1.3万円と極めて低い水準に止まっている。
身体障害者の就労月収は、内部障害の収入が最も高く、肢体不自由、聴覚・言語障害、視覚障害の順となっている。知的障害者の就労月収は、全体の半数強が月収3万円以下となっている。
身体障害者の60%程度が公的年金を受給し、20%程度が公的手当を受給している。知的障害者の80%程度は年金または手当を受給している。精神障害者では、4分の1が障害年金を受給し、10%が障害年金以外の年金を受給している。なお、精神障害者のうち定期収入に給料が含まれる人は20%程度に止まり、定期収入のない者も20%弱いるなど、経済的に厳しい状況にある。
身体障害者の過去1年間の治療状況を見ると、治療日数「31日以上」の割合は内部障害が3分の1強と最も高くなっている。
精神病床入院患者の15.1%は、入院期間が20年以上となっている。また、入院患者の約20%は、受け入れ条件が整えば退院可能と医療機関が判断している。
聴覚・言語障害や内部障害では、全体的に一人でできる人の割合が高い。視覚障害者と肢体不自由では、食事は一人でできる人の割合が高いものの、日常の買い物が一人でできる人は肢体不自由が60%、視覚障害が50%。また、精神障害者は、食事の自立度は高いものの、買い物は70%程度、炊事は50%程度の自立度となっている。身体障害者の60%以上が住宅改修を必要としており、現に改修した場所としては、トイレと風呂が多い。
視覚障害者のうち点字を使用する人は10.6%で、重度の視覚障害者でも17.3%に止まっており、音声での情報提供が不可欠な者も多い。聴覚障害者のうち手話を使用する人は15.4%で、重度の聴覚障害者でも23.0%に止まってまっており、手話通訳だけでなく筆談や要約筆記等の文字による情報提供が不可欠な者も多い。
障害のある人が周囲の人に知ってほしい障害の内容は、「外見で分かるものだけが障害ではなく、外見では分からないために理解されずに苦しんでいる障害もある」、「障害の種類も程度も様々で、一律ではない」、「障害はだれにでも起こり得る身近なもの」といった意見が多い。
障害のある人が周囲の人に知ってほしい必要な配慮は、「本人や家族の努力だけでは解決できないことが多くある」、「障害があっても働きたいと願っているので、働くための支援や働く場を確保して」、「障害者に関わる専門家は必要な知識をしっかりと身につけて」といった意見が多い。
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