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福祉車両市場規模、2008年に5万台、2016年に8万3千台

−矢野経済研究所、「2005年版福祉車両・シニアカー市場の現状と展望」を発刊−

2005/10/20(Thu.)

大人の青汁
 株式会社矢野経済研究所は、福祉車両の普及の妨げとなっている要因を明らかにし、それらの解消により、福祉車両の潜在的なニーズに見合った普及スピードを測定・分析することで、福祉車両の今後の普及可能性を明確化することを目的として実態調査を実施、結果をまとめた「2005年版福祉車両・シニアカー市場の現状と展望」を発刊した。税込価格は157,500円。

 調査対象としたのは、自動車メーカー、自動車関連部品サプライヤー、官公庁、関連団体などで、調査期間は2005年1月〜2005年6月。

 調査結果をみると、高齢化の急速な進展、社会環境の変化、自動車メーカーの取組みにより福祉車両市場(年間販売台数)は拡大し、2005年度には44,600台の市場規模に達する。

 車種別にみると、乗用車は、昇降シート車・回転シート車のバリエーションが増加し、乗降性の向上が個人ユーザーに受け入れられ1998年から拡大基調。軽自動車は、介護・福祉施設向けのセカンドカー、介護事業者によるタクシー事業新規参入などによる法人需要の取り込みにより、介護保険制度施行の2000年から拡大基調。バスは、2000年の交通バリアフリー法施行以降緩やかに拡大している。

 2006年3月末の福祉車両市場規模は44,600台に達するとは言え、新車登録・届出台数583.9万台に対する福祉車両占有率は未だ0.76%にすぎない。しかし、10年前の1996年3月末の福祉車両市場規模は5,571台、自動車登録・届出台数689.6万台に対する福祉車両占有率が0.08%であったことを考えると、福祉車両市場規模は、新車登録・届出台数が大幅に減少してきた中、拡大を続けてきた成長分野のひとつと言える。

 福祉車両の機能としては、高齢者・身体障害者などの移動制約者が自立的に車両を運転する自操式福祉車両と、車両への自立的な移乗が困難な移動制約者を介助者がサポートする介護型福祉車両に分類される。介護型福祉車両は車いすのまま車両への乗り込みを可能とする車いす移動車と助手席や後部座席が回転・スライド、昇降することにより、車両への移乗性を向上させる昇降・回転シート車に分類される。

 福祉車両市場を機能別に見ると、2000年の介護保険制度施工前後から、車いす移動車、昇降・回転シート車の伸びが大きくなっていることが分かる。

 車種別にみると、車いす移動車(リフト仕様車とスロープ仕様車)は、低価格化により、法人需要を開拓し拡大。リフト仕様車は、車いす利用者を送迎する施設主体で、ユーザーが限定され販売台数は伸び悩む。スロープ仕様車は、介護者の家族やヘルパー、2001年以降は福祉タクシーでニーズが拡大し、増加傾向となっている。

 昇降・回転シート車(回転・スライドシート仕様車とリフトアップシート仕様車)は、モーター・アクチュエーターなどの小型化・低価格化により拡大。回転・スライドシート仕様車は、20万円前後で装着可能となったが、販売台数は伸び悩む。リフトアップシート仕様車は、ミニバン・1BOX化により居住性は向上するも全体的に車高やシート座面が高くなり、高齢者や身体障害者にとって乗降性は低下。リフトアップ機構により低下した乗降性を補うことで、ニーズを捉え高価格ながらもマーケットを牽引した。

 福祉車両は販売台数が少なく、かつユーザーニーズは百人百様となるため、製造コストが嵩みがちとなる。特に、身体形状・身体機能に応じて製造される自操式福祉車両は大掛かりな改造を加えるケースが多く、製造コストは未だ高い。それ以外については、高い製造コストが福祉車両潜在ユーザーに敬遠されることは過去にはあったと思われるが、自動車メーカー、架装メーカーなどのコストダウンアプローチにより、福祉車両製造コストは大幅に低減し、製造コストが福祉車両の普及阻害要因では無くなりつつあると言える。

 介護型装置・架装部品のコストダウンアプローチとしては、各メーカー間で部品を共通・共有化することで得られる量産効果と福祉車両製造プロセスのインライン生産化。部品共通化としては、スロープ仕様車、回転シート仕様、車いす収納装置、リフトアップシート仕様など、機能・ユニット単位で棲み分けがされており、介護型装置・架装部品については大幅なコストダウンが実現している。

 国や自治体などが福祉車両拡大に果たした役割としては、交通バリアフリー法、介護保険制度、介護輸送ガイドラインの制定などバス事業者やタクシー事業者、介護・福祉施設を運営する介護事業者など主として法人が福祉車両を取得する形を取る間接的な支援を果たした。しかし、直接的に一般個人家庭において福祉車両の取得支援につながるものは、保安基準の一部改正、福祉車両取得に関わる税制面優遇、駐車禁止除外指定車標章交付、身体障害者運転免許取得・使用車両要件緩和などに限定されている。福祉車両製造コストが大幅に低減した現在においては、国や自治体などの助成金・補助金による側面支援の低さは福祉車両の普及阻害要因とは成りにくいことを示唆している。

 リフトアップシート仕様などユーザーニーズにミートした商品ラインナップ、福祉車両専門展示場などで福祉車両の機能をユーザーに訴求・伝達できる販売体制を構築できている自動車メーカーにおいては、福祉車両の普及を阻害する要因は基本的には見当たらない。

 同社では、福祉車両市場における今後の注目点を以下の4点とし、福祉車両市場規模は2008年3月末に5万台を上回り、2016年3月末に83,500台になると予測した。

今後の注目点

 クルマの特性として、「目的地設定の自由度が高い」、「時間帯に拘束されない」という公共交通機関にない優位性があり、高齢者・身体障害者など移動制約者のモビリティーニーズが年々高まりを見せていることから、福祉車両の必要性は今後ますます高まることが予想される。

 公共交通機関や商業施設などの社会インフラのバリアフリー化が大幅に進展したのは2000年以降で、まだ5年程度しかたっておらず、高齢者・身体障害者など移動制約者にとって外出が容易になる環境が整うのはこれから。従って、社会インフラと家庭をつなぐ役割を果たす福祉車両の必要性は高まることが予想される。

 “車いすの運転席化”を可能とするモデルが2005年11月に市販化されることが決定している。“車いすの運転席化”が今後、数多くの車種で採用されれば、クルマに乗せてもらうことが多かった車いす利用者の内、下肢不自由者にとって、“自分自身でクルマを運転する”機会が創出される。

 バイ・ワイヤー技術が福祉車両にも展開され、自動車パッケージングレイアウトの自由度が高まる。それは、ハンドル形状やアクセル・ブレーキなどの位置などの改造が、これまでと異なり、個々人の身体形状、身体機能に合わせたパーソナライズ設計を可能化することを意味する。これにより、頚椎損傷者にも“自分自身でクルマを運転する”機会が創出されることになる。


株式会社矢野経済研究所概要
  • WEBSITE:矢野経済研究所
  • 所在地:東京都中野区本町2-46-2 中野坂上セントラルビル
  • TEL:03-5371-6900

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