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パソコンのモデルチェンジとソフトウェア改良を行った身体障害者向け意志伝達装置を発売

−日立、「伝の心」−

2005/11/09(Wed.)

 日立製作所ユビキタスプラットフォームグループは、重度身体障害がある人のQOL(Quality Of Life:生活の質)向上を支援するため、これまで販売してきたALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)患者などの身体障害者向け意志伝達装置「伝の心」の改良版を製品化した。

 今回発売する製品では、意志伝達装置のベースとなるパソコンのモデルチェンジとソフトウェアの改良を行うことにより、画面を見やすくする、メールを送信しやすくするなど使い勝手を向上させている。なお、販売は株式会社日立ケーイーシステムズより行う。

 ALSとは、脊髄の運動神経が侵され、全身の筋肉の萎縮が起こる進行性の神経筋難病。初期症状としては、足がもつれる、口がうまくきけないなどの症状が起こり、症状が進むと、歩けなくなったり、筆談や発語、さらには呼吸ができなくなる。しかし、脳機能は衰えないため、相手の言うことは分かっても答えることができない、自分の考えを伝えられないなど、コミュニケーション上の問題が起こる。病気の原因も治療法も不明で、厚生労働省の「特定疾患」に指定され、全国で約7,000人の患者がいるといわれている。

 同社では、1997年12月から、ALS患者の人を主な対象とした意志伝達装置「伝の心」を製品化している。「伝の心」は、文章作成、身の回りの機器(赤外線リモコンで操作できる機器が対象)の操作、離れた人とのコミュニケーション(電子メールの利用)を基本機能としており、現在までに約3,000台出荷している。2003年度の給付制度利用機器の中では約70%のシェアとなっている。

 操作は、カーソルがディスプレイ上に表示された文字盤やメニュー等の上を自動的に動く(この動作をスキャンと呼ぶ)ように設定してあり、メニューや文字盤の文字など希望の項目にカーソルが移動したときに、患者自身が身体をわずかに動かしスイッチ入力して、その項目を選択して行う。

 1999年10月には、「伝の心」を介して患者が自ら操作できる身の回りの機器の種類を増やし、本を読むための「ページめくり機」や家庭用テレビゲーム機の操作を行えるようにした。また、2000年8月には電子メール送受信やホームページ閲覧を可能に、2002年4月にはワープロソフトなどの一般アプリケーションの利用を可能に、2003年11月には音声読上げガイド機能を強化し重複(肢体・視覚)障害のある人の利用を可能にするなど、患者のQOLの向上を実現するさまざまな機能の拡張を図っている。

 今回の改良は、利用者から寄せられた意見から、「もっと画面を見やすく」「メールを簡単に送信したい」など要望が多かった項目に対応したもの。今後も操作性の向上や機能の強化に取り組み、ユーザーの人のQOL向上を目指していく。


伝の心
写真:伝の心


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