HSBCグループが世界20カ国・地域の18歳以上の成人2万1,000人、雇用者6,000人を対象に実施した「退職後の生活」についての大規模な意識調査によると、61%の日本人は、自分の老後の生活費については自らが負担すべきと考えていることが判った。世界平均の43%を大きく上回り、日本人が国家もしくは企業の年金制度に頼らずに退職後の生活設計をしていく意向にあることが示された。
日本を含む計20カ国・地域を対象に行われた同調査では、定年退職後もフレキシブルな勤務形態でも良いので働きたいとの回答は、日本人は83%、これを上回ったのはインドネシアの87%となっている。上位5位まではすべていわゆるエマージング(新興)諸国で、ブラジルとメキシコがともに79%、次いでサウジアラビアの73%となっている。先進諸国ではカナダとフランスが71%、ドイツとイギリスは68%、米は69%となっている。また、世界平均は66%だった。
いっぽう、フルタイムで働きたいとの回答は日本では7%、トルコは28%と他を引き離して1位となっている。逆に「経済的な理由だけでは2度と働きたくない」と答えた割合は、日本では5%と、メキシコと並んで最も低くなった。同項目では香港が44%と最も高く、次いで中国本土で28%となった。
また、それを裏付けるように、政府はどのように高齢化社会を財政的にサポートしていくべきかという問いに対し、日本では、「定年退職年齢の引き上げ」と回答した割合が43%と、世界平均の24%に比較して突出して高い結果となった。また、「何歳で定年退職すべきか」の問いに対しては、男性は平均65.2歳、女性は63.2歳となった。
「企業側にとって退職が意味するものは」との質問には、日本では57%が「技術・経験の喪失」と回答するいっぽう、「若者の労働機会の創出」とする回答は35%にとどまった。世界的には、退職を「技術・経験の喪失」とする回答は、米国の84%を筆頭に、英国、カナダと先進諸国で相対的に高い水準となった。
また、同調査では、世界平均で71%の雇用者は、シニア層従業員を若年従業員と同様に生産的であると回答しており、また、半数以上の雇用者が、企業に対する帰属意識、また信頼性は若年従業員より高いと評価していることが判った。
シニア層従業員の存在意義を高く評価しているいっぽう、日本、北米、中国、香港、シンガポールでは、こうした経験豊富な労働者を企業が積極的に採用しない理由について、その必要性をそれほど感じていない、もしくは解決すべき早急の課題とみなしていないということが示されている。
HSBCグループのチーフ・エグゼクティブである、スティーブン・グリーンは、「我々が実施した同調査では、世界的に人々が老後の生活を自分たちで負担していかなければならないと予期していることが明らかになりました。また、政府や企業も、人々の老後の生活を今後もサポートしていくために、それぞれの役割を改めて認識する時期を迎えています。彼らにとって、世界的に進行する高齢化は避けられない課題であると同時に飛躍の機会ともなっていることが示されています」とコメントしている。
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