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脳機能障害による運動機能障害回復度合いの定量的測定に成功

−日立製作所、大阪大学、国立循環器病センターが共同で、パーキンソン病、ラクナ梗塞等に向け−

2006/05/24(Wed.)

 株式会社日立製作所、国立大学法人大阪大学、国立循環器病センターは共同で、磁気センサ型の指運動機能計測技術を用いて、脳の機能障害を原因とした運動機能障害の回復の度合いを定量的に測定することに成功した。この計測技術は、発信用と受信用の2つの小型磁気コイルを2本の指に装着し、磁場を用いて指の間の距離を測定して運動機能を解析するもの。パーキンソン病、ラクナ梗塞における投薬前後の指運動機能を測定し、回復の度合いを定量的に把握することができるようになり、脳の機能障害への投薬やリハビリの効果測定へ活用することが可能になる。

 高齢化社会が進むことに伴い、高齢で発症しやすいパーキンソン病や脳梗塞などを原因とした運動機能障害のある人が増加する傾向にある。これらの障害がある人の運動機能の診断やリハビリの効果の把握には、主に医師の問診や観察などによる定性的なデータを用いたスコア判定が使われているが、投薬やリハビリによる運動機能の回復効果を医師が簡便な装置で定量的に測定することが可能になれば、わずかな変化を検出するなど効果的な測定が期待できる。

 このような背景から、日立は大阪大学の協力を得て、磁気センサ型の指運動機能計測技術を2004年に開発した。この技術は、生体にほとんど影響のない磁場を用いて、2本の指を離したり閉じたりするタッピングの動きを定量的に計測し、タッピングの振幅、速度、力、周波数などの各パラメータを使って、指運動機能を総合的に定量化するもの。この計測技術を用いて、パーキンソン病患者の指運動機能を測定したところ、一般に、医師が行っているスコア判定との関係性が見出され、定量評価法としての有用性が期待されていた。今回、3者は、パーキンソン病とラクナ梗塞について、投薬前後の指運動機能を計測し、回復度合いの測定を行った。

 パーキンソン病について、治療薬として一般的なドーパミンの投薬前後の指運動機能計測を行ったところ、投薬後では、指タッピング運動のリズム(周波数)、速度、振幅の度合いの改善が確認できた。また、各パラメータを使った定量評価結果と、従来の医師によるスコア判定との間に高い関係性が見出された。

 ラクナ梗塞について、発症数日後(急性期)と約2週間後(亜急性期)の指運動機能測定を行った。この間、一般的な治療法として抗血小板作用のある点滴や内服薬、また神経保護作用のある点滴などが投与され、その回復の度合いは、医師のスコア判定に加え握力測定によって評価される。今回の指運動機能計測では、従来の評価法では確認できなかった初期段階における機能の改善を確認することができた。

 これらの結果から、指運動機能計測技術による測定結果が、従来の評価法(スコア法)と高い関係性があることから、同技術が回復度合いの評価法として有用であることが確認できた。さらに、脳梗塞後の回復過程の評価では、従来法で検知できなかった初期段階における機能改善の様子も測定できることが確認され、高感度な測定が可能であることが確認できた。

 今後、脳の機能障害を原因とする運動機能障害のリハビリの効果や、薬物投与の効果を詳細かつ定量的に評価する有用な方法として期待される技術で、治療計画の検討や、薬の開発を効率的に支援する技術としても期待できる。


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株式会社日立製作所概要
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