東京都は、「福祉のまちづくりの原点はトイレ」という観点から、インターネット福祉改革モニターの第7回アンケートを実施、結果を公表した。
まちにトイレがあることで、年齢、性別を問わずだれもが安心して外出することができる。特に高齢者や障害者の人にとっては、トイレ整備の充実は、行動範囲の拡大、社会参加にもつながる切実な問題で、東京都では、すべての人々の社会参加実現を目指し、福祉のまちづくりを積極的に推進するとともに、2m角以上のスペースを確保したトイレ「だれでもトイレ」の整備などを促進している。
アンケートの結果、外出時に利用しやすいと感じるトイレは、「デパートなどの買い物施設」と回答した人が84.9%と80%を超え最も多く、以下「駅」59.9%、「官公庁施設」51.7%、「ホテル」50.9%、「図書館・美術館・映画館」50.4%も50%を超えた。
外出時にトイレがなかったり、少なかったりして、困った場所・施設は、「商店街」と回答した人が50.4%と50%を超え、以下「公園」38.8%、「駅」36.6%、「電車内・飛行機内」28.9%の順となった。
外出前もしくは外出時に、トイレに関してとる行動については、「利用したくなったときにトイレを探すので、事前に調べたり、決めたりしていない」と回答した人が54.3%と最も多く、以下「目的地に着いたら、トイレがどこにあるか確認する」22.4%、「特定の場所に行くときは、利用するトイレを決めている」14.2%の順となった。
外出時にトイレを利用するに当たり、困ったことについては、「不衛生である」と回答した人が82.8%と80%を超え最も多く、以下「荷物を置く場所がない」57.3%、「混雑していて使えない」53.0%、「トイレが少ない」50.4%も50%を超えた。
まちの中に、どれぐらいの移動時間(徒歩)でトイレがあれば良いと思うかについては、「5分以上10分以内」と回答した人が28.9%と最も多く、以下「20分超」19.4%、「5分未満」17.7%、「15分以上20分以内」14.7%の順となった。
トイレに望むことは、「清潔さ」と回答した人が93.5%と90%を超え最も多く、以下「安全」52.2%、「トイレの数」35.8%、「トイレの場所のわかりやすさ」33.6%の順となった。
今後トイレの設置を促進してもらいたいと思う場所・施設は、「商店街」が58.6%と最も多く、以下「駅」50.4%、「公園」40.5%、「コンビニエンスストア」23.3%の順となった。
「だれでもトイレ」を利用したり、見たりしたことがあるかについては、「利用したことがある」が41.4%と最も多く、「見たことはあるが、利用したことはない」が21.6%だった。いっぽう、「だれでもトイレを知らない」が25.9%と全体の約4分の1にのぼった。
「一般用トイレ」と「だれでもトイレ」があった場合、どちらを利用するかについては、「時に応じて両方」が53.4%と50%を超え最も多く、「一般用トイレのみ」が39.2%、「だれでもトイレのみ」が7.3%だった。また、「だれでもトイレのみ」「時に応じて両方」と回答した人が「だれでもトイレ」を利用する理由は、「一般用トイレが混雑していて使えないから」が64.5%と最も多く、以下「スペースが広いから」が41.8%、「洋式便器だから」が31.9%、「一般用トイレに比べきれいだから」「幼児や介助者がいるから」が19.1%の順だった。
「だれでもトイレ」の利用についてどう思うかについては、「基本的に一般の人が利用してよいが、高齢者や障害者等を優先させるべきである」が57.8%と50%を超え最も多く、以下「基本的に一般の人は利用すべきでないが、一般用トイレが混雑しているときなどやむをえない場合に限り利用してもよい」が24.6%、「一般の人は利用すべきでない」が8.6%、「一般の人も高齢者や障害者等と同様に利用してよい」が6.0%の順だった。また、「(だれでもトイレを)利用したことがある」と回答した人が、利用して困ったことは、「数が少ない」が54.2%と最も多く、以下「トイレの場所がわかりにくい」が20.8%、「不衛生である」が13.5%、「ベビーチェアやオストメイト用設備がないなど設備が不完全」が8.3%の順だった。いっぽう、「困ったことはない」との回答も27.1%にのぼった。
東京都で整備を進めている「だれでもトイレ」について、最も望むことは、「だれでもトイレの数を増やす」が43.1%と最も多く、以下「案内表示や地図板を設置してわかりやすくする」が34.1%が続いた。いっぽう、「整備は充分である」との回答は1.7%だった。
「だれでもトイレ」の一例

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