年金積立金管理運用独立行政法人は、2005年度の年金資金運用業務概況書を公表した。年金積立金については、インフレやデフレをはじめとするさまざまな運用環境の下で、長期的にみて安全かつ効率的に運用を行う必要があるため、厚生労働大臣が、分散投資の考え方に基づき、年金積立金全体で長期的に維持すべき資産構成割合(基本ポートフォリオ)を定め、基金では、これを目標として運用を行うこととされている。
分散投資とは、価格の上昇・下落の動き方が異なる複数の資産に分散して投資することにより、ある資産の収益が低くても他の資産の収益によりカバーして、資産全体での収益率の変動幅を小さくするという投資の基本的な方法。
2005年度においては、世界的な景気回復基調を受けた国内外の株高の影響から、総合勘定において過去最高となる8兆9000億円余りの収益を計上し、累積損益は8兆4000億円余りを計上することとなった。また、厚生保険特別会計と国民年金特別会計(年金特別会計)への納付金を控除する前の累積損益(運用上の累積損益)は9兆2000億円余りとなった。この結果、2006年度において、1兆9000億円余りを年金特別会計に対し納付する見通しとなった。
基本ポートフォリオについては、2004年財政再計算の結果に基づき、2005年3月に厚生労働大臣により見直しが行われた。そこで、基金では、2005年4月より、新たな基本ポートフォリオを目標として運用に当たった。また、2006年4月1日に管理運用法人が設立されたが、基金では、この法人に円滑に権利・義務を承継することができるよう準備を進めた。なお、2006年度以降においては、新たな運用の仕組みに基づいて資金運用業務が行われる。
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