株式会社電通の電通シニアプロジェクトは、2007年からの団塊世代の大量退職を目前に控え、今年8月に「退職後のリアル・ライフ調査II」を実施し、そのレポートをまとめた。
電通シニアプロジェクトは、日本の人口高齢化をふまえアクティブなシニア市場開発を目的にした、約40名からなる全社横断プロジェクトで2001年2月にスタートしたもの。調査研究、マーケティングコンサル、広告企画、商品開発・事業開発などをてがける。
改正高齢者雇用安定法で2006年4月から段階的に雇用延長が義務づけられ、60才以降も希望すればそのまま会社に留まれる仕組みの整備に伴って、団塊世代の60才以降の生活が昨年までと大幅に変化することが推測される。そこで、今回の調査では、団塊世代の先頭ランナーである2007年に60才を迎える全国のサラリーマン夫婦「1947年生まれの夫(給与所得者)」と「1947年生まれの夫(給与所得者)をもつ団塊世代の妻」を対象に調査を行い、60〜65才までを中心に生活イメージや生活意識、消費意識・行動について、明らかにした。
団塊世代は、65才くらいまで働きたい人がもっとも多く、生涯現役意識が根強い。パソコンや携帯電話などの情報機器を使いこなし、だれかに頼るより自分で解決することが好きだと感じ、夫婦で新しいシニアライフを築こうとしている。3つの自負心として「日本経済を支えてきた」[いつも競争してきた]「よく頑張ってきた」というキーワードがあげられている。
来年以降の仕事や暮らし方を決めている人は約60%で、決定に際しては58%が本人の意見を優先しているものの、32%は夫婦で相談している。就労予定の人のうち75%が今いる会社で働くことを選択し、全く働かない人は6%。就労予定の人のうち、フルタイムは47%となっている、パート、アルバイトはあわせて40%。半数は毎日会社に通うが、40%は時間や日にちを短縮して働く。ガツガツお金の為に働くのではなく、自分のペースでゆとりを得るために働く傾向となっている。65歳くらいまでの想定世帯年収は476.7万円となっている。
退職金の使い道は「夫婦で相談して決定」が60%と、前回調査結果を大きく上回り、「何事も夫婦で」という姿勢が広がっている。退職金の使い道では、「老後資金」が46%、「ローン返済」が15%、「株式等資産運用」が13%、「住宅に関わる費用」が8%となっている。58才でだいたいの使い道を想定し、59才で決定。早期退職や役員就任などで退職金をすでに受け取った世帯は23%で、これから受け取る世帯は54%となっている。受取額は平均2,018万円だった。
定年をきっかけにしたいことや買いたいものとして、旅行は定年きっかけ行動の定番となっているが、昨年調査に比べ、男性の一人旅志向が急増している。「国内移住」「住み替え」「リフォーム」など、家関連行動へのニーズが高まっており、30%が希望している。買いたいものがある人は48%で、目立つのは薄型大画面テレビ(21%)、車(20%)、パソコン(11%)、田舎の家・土地(10%)など。
定年前の準備として目立っているのは、健康づくり(46%)、夫の家事参加(26%)、株やファンドの購入による資産運用(26%)など。昨年調査に比べると、特に、「夫の家事参加」「リフォーム」が急増した。いっぽう、「パソコン学習」は昨年調査から大幅ダウン。団塊世代はパソコンが難なく使えることを物語っている。
60〜65才の暮らしに対して、男女とも47%は「楽しみと不安が半々くらい」となっている。ただし、「楽しみ」率から「不安」率を差し引いた数値は、男性が+13%に対して、女性は-19%だった。項目別の男女の特徴差をみると、自由時間(増える)は男性84%・女性30%、夫婦会話量(増える)は男性63%・女性49%、妻の家事時間(増える)は男性12%・女性30%、一人行動・一人時間(増える)は男性45%・女性12%となっている。
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