内閣府の男女共同参画会議「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」は、「少子化と男女共同参画に関する社会環境の国内分析報告書」を発表した。
少子化と男女共同参画に関する専門調査会では、女性の労働力率(有業率)と合計特殊出生率の関係の変化に着目するとともに、両者の関係に影響する「社会環境」のあり方を把握することを目的とした調査検討を行ってきた。2005年9月に「少子化と男女共同参画に関する社会環境の国際比較報告書」を取りまとめたのに引き続き、今回、日本国内の「社会環境」の時系列データや都道府県別データを用いた国内分析報告書を取りまとめた。
1971年時点では、女性有業率と合計特殊出生率の間に相関はみられないが、1987年、2002年時点では、女性有業率の高い都道府県の人が合計特殊出生率が高いという正の相関関係がみられる。1971時点で女性有業率の低い地域が2002年でも女性有業率が低く、合計特殊出生率も大きく低下している。国際比較では出生率が回復してきている国があったのに対し、日本では、すべての都道府県で合計特殊出生率が低下傾向にある。女性が就労することと男女が子どもを産み育てることが両立するような社会環境の整備において、国内共通の課題があると考えられることがわかった。
47都道府県を合計特殊出生率の変化率と水準、女性有業率の水準を用いて類型化したところ、両極の2つのグループに大きく分かれた。合計特殊出生率の減少率が小さく、水準が比較的高く維持されている「タイプ1」の地域の多くは、女性有業率の水準も高く、逆に、合計特殊出生率の減少率が大きく、水準が低い「タイプ7」の地域の多くは、女性有業率の水準も低いことが分類から見てとれた。また、「タイプ1」の地域は、熊本県、山形県、長野県、佐賀県、青森県、山梨県、福島県、富山県、鳥取県、岩手県、宮崎県、福井県、三重県、島根県、群馬県、静岡県で、「タイプ7」の地域は、徳島県、大阪府、愛媛県、北海道、和歌山県、福岡県、兵庫県、茨城県、広島県、神奈川県、東京都、京都府、宮城県、埼玉県、千葉県、奈良県だった。
出生率・女性有業率の水準が低く、出生率の減少率が大きな「タイプ7」では、社会環境全般について、47都道府県の平均(50)よりも低い水準。特に、出生率との相関が高い「適正な労働時間」、「家族による支援(世代間支援)」、「社会の多様性寛容度」の3分野は、他の6タイプの地域と比べて最もスコアが低い。この3分野のスコアは、「タイプ1」のほとんどの県で共通して高く、いっぽう、「タイプ7」の中でも最も出生率の低い東京都では、特に低くなっている。
調査会では、「日本の社会環境の時系列変化をみた場合、両立支援の視点から改善傾向がみられる指標分野についても、国際的には依然水準が低いことを踏まえ、今後も、着実に環境整備を進める必要がある」「環境が厳しくなっている指標分野については、積極的な取組の推進や、対応の見直しが求められる。具体的には、三世代同居率の減少などにより家族による支援(世代間支援)が低下しており、地域における社会的な支援体制を構築することの必要性がさらに増している。また、先進国の中で特に日本の水準が低い分野である適正な労働時間や、女性や若者の非正規化による雇用の不安定化の進展への対応が強く求められる」と、まとめた。
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