シナノケンシ株式会社は、視覚障害者が録音図書などを読むための、インターネット配信に対応するデジタル録音図書読書機(パソコンを使わないネットワーク読書端末)の実用化をめざす実証実験を、社会福祉法人日本点字図書館と社会福祉法人日本ライトハウスと共同で開始した。
シナノケンシは、視覚障害者向けのデジタル録音図書の国際標準「DAISY(デイジー)」に対応したCD録音図書再生プレーヤー「プレクストーク」を開発し、その製品はデジタル録音図書の普及とともに世界の視覚障害者に広く利用されている。
現在、視覚障害者が利用できる録音図書は、カセットテープから「DAISY(デイジー)」を使ったCDへと移っているが、さらに、日本点字図書館と日本ライトハウスでは、パソコンをベースにした録音図書のネット配信サービス「びぶりおネット」の運用を2004年から始めている。
しかし、パソコンを利用できる視覚障害者がきわめて少ないため、パソコン使用自体が普及のネックとなっており、今後は、録音図書のネット配信サービスを、パソコンを使わなくても簡単に、より多くの人が利用できる環境が整えられることが望まれている。
実証実験は、具体的には、パソコンを使わないネットワーク読書端末の基本機能や使い勝手のほか、貸し出し待ち時間などの制約が解消される図書検索サービスの実用性などを確かめることを目的としている。
図書コンテンツが蓄積された「びぶりおネット」のサーバーのほかに、管理・保守・検索などを行う実証実験用サーバーをシナノケンシ内に仮設置し、約10名のモニターの人の協力を受け、約2ヶ月の実証実験を行う。
このインターネット対応の録音図書再生機(開発中)は、利便性を高めた次世代型のデイジー方式の小型再生プレーヤーで、パソコンを使用しないで、簡単なネットワーク読書端末だけで利用できる。また、技術的には、視覚障害者が自分で365日24時間、図書館のサーバー内の録音図書からインターネット回線を経て自分で検索し、いつでも聴けるようになる。電話で図書館に希望する本を依頼し、インターネットで送ってもらうこともでき、無線接続(無線LAN機能)も備えているため、設定すれば、家庭内で居間や寝室など読書する場所の制約がない−−などの特徴がある。
将来的にネット配信サービスが進展することで、貸し出しCDの郵送時間をなくし、情報スピードを上げることができるほか、図書を借りる視覚障害者のプライバシーの保護にもつながる。製品の実用化は、次の通常国会で予定されている著作権の法改正や実用化試験の結果を反映し来年後半以降を予定している。
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