独立行政法人国民生活センターは、「高年層をターゲットにした電話勧誘販売」として、2000年度から2006年度10月までの高年層の電話勧誘販売の相談件数80,167件について分析した。
電話勧誘販売全体に関する相談は30〜40歳代に多く、2003年度のピーク時には108,751件だったのが、2004年度は87,410件、2005年度には70,493件と減少している。しかし、60歳以上の高年層の電話勧誘販売に関する相談件数は年々増加しており、2000年度では5,298件だったが、2005年度には16,871件と、この6年間で3倍以上に増えている。2000年度から2006年10月までの相談件数は80,167件。また、電話勧誘販売全体に占める高年層の割合も、2000年度の8.0%から2005年度は23.9%に増加し、約4分の1を占めるまでになっている。退職後在宅率の高い高年層を中心にトラブルが増加していることがうかがえる。
分析結果をみると、60歳以上の高年層の電話勧誘販売における契約当事者を年代別にみると、60歳代が45.0%とほぼ半数を占めており、70歳代が39.0%、80歳代が14.8%、90歳以上が1.2%と続いている。男女別構成比は、女性が50.2%、男性が49.8%とほぼ同数。職業別では、無職(57.7%)と家事従事者(23.6%)で80%以上を占めている。
相談を商品別にみると、60歳以上の高年層では、「本」「電話関連サービス」「紳士録・名簿」「健康食品」「商品相場」「広告代理サービス」といったものが上位に挙がっており、教材や資格講座に関する相談が40%以上を占めている60歳未満とは傾向が大きく異なる。ある程度の年齢や経歴を必要とする「紳士録・名簿」や健康不安につけ込んだ「健康食品」、趣味に対する心理を巧みに利用した「広告代理サービス(作品掲載サービス等)」など、高年層の消費性向にそった商品が上位を占めている。
年度別に傾向をみると、直近の3年では「電話関連サービス」に関する相談が最も多く寄せられている。「株」に関する相談は2005年度から上位10位以内に挙がっている。いっぽう、「本」「紳士録・名簿」「健康食品」「広告代理サービス」は年度を問わず常に相談が多い商品となっている。
「本」「紳士録・名簿」「商品相場」は男性が契約しているケースが多いが、「広告代理サービス」は契約者の男女比に大きな開きはない。いっぽう、「健康食品」や「化粧品類」については、圧倒的に女性からの相談が多くなっている。また、平均契約金額は全体的に高額だが、支払形態別では現金払いが82.2%と多くなっている。特に「商品相場」や「株」の利殖に関する相談は平均契約金額が高額で、退職後の世代の預貯金・年金等がターゲットになっていることがうかがえる。
電話勧誘販売の問題点は、販売目的等を告げず電話の特性を悪用していることや、契約書面が交付されていないこと、実質的な救済が困難なことも多いことなど。同センターでは、消費者へのアドバイスとして、「しつこい電話勧誘販売は毅然と断る」「事業者の説明を鵜呑みにしない」「トラブルにあった場合には、消費生活センターに相談する」などを挙げている。
|